ポータルサイト Yahoo! JAPAN は11月中旬から「Yahoo! ニュース」のコメント投稿するために、携帯電話番号の登録を必須にすると発表した。これまでコメント欄に誹謗中傷を含むものなど不適切な投稿をしたユーザーに対し、投稿停止措置をとってきたが、ユーザー ID を取得して不適切な投稿を繰り返すユーザーが後を絶たなかっという。こうしたことから携帯電話番号の登録を必須とすることで ID を判別でき、投稿停止措置を確実に実施できるとしている。しかしコメント欄は非表示できるので、不快だったら読まなければよい。もっと気になるのは、どの記事を表示させるか、そのアルゴリズムである。意外と知られていないと思われるのが、Yahoo! ニュースに表示される記事は人によって違うということである。これは知り合いと肩を並べてアクセスしてみると分かる。日本最大のニュースプラットフォームである Yahoo! ニュースは公共性の高さからパーソナライズ、すなわちユーザーが主体的にカテゴリーを並び替えたり地域を設定することではなく、サービスの運営側が機械的に個別最適化していなかった。しかし現在では強化しつつあり、トピックスの下にあるタイムラインは閲覧履歴や性別、年代などの属性をもとにパーソナライズされている。
ただしセレンディピティ(偶然の発見)を重視、スポーツ好きのユーザーにはウクライナ戦争のニュースを混ぜるようにしているようだ。ところで Google のニュース アルゴリズムでは、さまざまなシグナルを使用して、有用で関連性の高いニュース コンテンツを掲載しているという。自社のサイトやブログで掲載した記事が Google にインデックスされその内容が評価されれば Google 上のニュース欄に掲載される仕組みになっている。ウォール・ストリート・ジャーナル日本語電子版が、いささかやや古い記事だが2016年のアメリカ現況を「アルゴリズムがニュースを選ぶ時代」という記事を掲載している。すなわち「フェイスブックやグーグル、アップル、ツイッターからニュースを得る米国人の数は著しく増えた。世論調査会社ピュー・リサーチ・センターによると、現在のアメリカの成人の10人に4人がフェイスブック、10人に1人がツイッターからそれぞれニュースを取得している。ピュー・リサーチはミレニアル世代(2000年代の初頭に成年期を迎えた世代)の間では、フェイスブックが政府や政治に関する圧倒的なニュースや情報源になっている」と指摘している。
関喜史「ニュースサービスの変化と記事推薦システム」の表示とダウンロード(PDF File 479KB)
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