ウクライナのウニアン通信などによると、南東部ザポリージャ州にある欧州最大の原子力発電所であるザポリージャ原発で3月4日未明、ロシア軍による攻撃があり、火災が発生したという。事実であれば狂気の沙汰以外の何ものでもない。ロシア軍にウクライナ侵攻の大義名分は東部の「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」の独立を承認、その集団的自衛権を行使したというものだった。しかし実際には東部の「ドンバスだけの特別軍事作戦」を名目にしながら、瞬く間に全面軍事作戦になってしまったのである。ロシア軍がウクライナ全土を手中に入れれば傀儡政権を作るだろうという目論みである。たとえベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領のような独裁者を祭り上げても、ウクライナの人々はついてゆかないだろう。
それでも良いとプーチンは考えているかもしれない。プーチンはソ連の秘密警察 KGB の37歳までの4年間を東ドイツのドレスデンで過ごした。1989年、ベルリンの壁崩壊によって、事態は一変する。1カ月後には KGBド レスデン支部の鉄フェンスの向こうに、敵意に燃える東ドイツのデモ隊が結集した。この屈辱的な出来事と、その後のソ連の崩壊から、プーチンは決して忘れられない教訓を得た。当局の監視下にないデモや自由をいきなり認めてしまっては、絶大な軍事力を持つ帝国すら崩壊するのだと。ドレスデンでのKGB活動について「第一の敵は NATO だった」と発言したことがあるプーチン。そしてその考えは、現在に至るまで変わっていない。ウクライナの戦況は不透明だが、ロシアの手に落ちれば、西側の欧米諸国はさらに経済制裁を強化するだろう。すでに通貨ルーブルは暴落、インフレによって物価上昇にロシア国民は苦しめられるだろう。プーチンを「スターリンに近いかヒトラーの生まれ変わりだ」とたとえるウクライナ人が多いようだ。
大統領になる前は KGB のスパイ | プーチン若かりし頃のキャリア | Business Insider Japan
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