Maria Primachenko |
マリア・プリマチェンコ(1908-1997)は、ウクライナの田園生活を描いた、素朴派の民俗芸術家の代表格として知られている。マリアは農家の女性だった。チェルノブイリから30キロしか離れていない、人口は2010年時点で224人のキエフ州イバンキフ郡ボロトニャ村に生まれ、生涯を過ごした。幼少期にポリオを患い、その痛みは彼女の人生に影響を与えた。親戚の報告によると、マリアは自然やすべての生き物を慈しみ、思慮深く思いやりのある人間に成長したという。彼女は晩年に自身の初めての芸術体験に対して次のように話している。「幼い頃、ガチョウの群れの世話をしていたことがある。ガチョウたちと野生の花が点在する野原を横切り、川のほとりの砂浜に行くと、私は砂の上に棒で現実と空想の花を描き始めていた」。その後、自宅の壁を天然顔料で塗りはじめ、それ以来、絵を描くことをやめたことはなかったという。グアッシュと水彩で描かれた彼女の作品は、小さな花瓶に挿された左右対称の赤いポピーや、双頭の蛇を生やした牛のような幻想的な動物が描かれていて、鮮やかで想像力に富んでいる。1937年のパリ万国博覧会で金賞を受賞し、パブロ・ピカソ(1881-1973)は彼女を "芸術的奇跡 "と呼んだという。2022年2月27日、彼女の作品約25点が収められていた、キエフの北西にあるイヴァンキフ歴史地方史博物館が、ロシアの攻撃により破壊されてしまった。しかしウクライナ研究所によると、地元住民が燃え盛る博物館から作品を回収することができ、完全に失われる前に回収することができたという。文化への攻撃ともとらえられる事態を受け、ウクライナのオレクサンドル・トカチェンコ文化・情報政策大臣は2月28日、自身の Twitter を通してロシアをユネスコ加盟国から除外するよう要請。またロシアで今夏開催予定となっている第45回世界遺産委員会については、開催国の変更も要請している。
Maria Primachenko (1908-1997)| Biography | 119 Artworks - Painting | Wikiart
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