2020年6月27日

何ものかが見る人を勇気付ける

©2020 Lola Barcia Albacar

イラストはスペイン在住のローラ・バルシア・アルバカルさんが描いた、新型コロナウィルス感染症と闘う母親である。十字架のイエズスもマスクをしている。「家族全員に囲まれて、ママ、パパに負けず劣らず強くなったね。私たちはあなたをとても愛しています...」と祈るような言葉が添えられている。ローラさんは1968年、バレンシア生まれのアーティストだが、ピンホール写真が縁で、ソーシャルメディア Facebook の友だちになった。カタルーニャ地方は、さまざま意味で私にとっては憧憬の地であるので、あくまでバーチャルな関係ではあるが、貴重な交遊になっている。彼女の母親が感染したことを知ったのは「母と一緒にラテン語でロザリオを祈る」という4月20日の投稿だった。従ってすでに二か月以上の闘病生活を送っていることになる。ところで私はネットで風刺漫画を閲覧することが多いのだが、いささか辟易とすることがある。例えばコロナ対策に後れをとったトランプ大統領を揶揄した風刺漫画が山ほど投稿されている。批判されるのは当然だと思うが、そこには未来に対する突破口が窺えない。救いがないのである。従って見るのが辛くなることがある。風刺漫画とローラさんの私的イラストを比較するのは乱暴に過ぎるが、見る人を勇気付ける何ものかが潜んでいる。

womanBiografía de Lola Barcia Albacar, Valencia, España | Flecha - Arte Contemporáneo

0 件のコメント: