ニューズウィーク誌6月6日付け電子版によると、ジョージ・フロイドの死に対する抗議のため、人種間の緊張が高まり、米国海兵隊はその施設での南軍旗すべてを禁止した。旗をあしらったTシャツの着用から、マグカップでのコーヒーの飲用さえできなくなった。南軍旗はしばしば保守過激派や人種差別主義者のグループが掲げてきたが、ジョージ・フロイド事件に対する抗議デモが全国に広がったため、その矛先が海兵隊に及ぶことを避けたと思われる。Black Lives Matter(ブラック・ライヴズ・マター)運動の嵐に全米が包まれている。
テネシー州ナッシュヴィルの日刊紙テネシアン6月4日付け電子版によると、南部およびその他の地域で南軍の記念碑と像が破壊あるいは撤去されているという。抗議行動によりテネシー州議会議事堂の前にあったエドワード・カーマック(1858–1908)の像が5月31日、取り壊された。カーマックは人種差別主義者の見解を支持、物議を醸した元議員および新聞経営者だった。1890年代のメンフィスは人種的緊張の巣窟であった。カーマックは「公民権運動の母」として広く知られていたアイダ・B・ウェルズ(1862–1931)を紙上でヘイト攻撃、彼女が務めていた新聞社は煽りを食らい焼き討ちされたのだった。南軍といえば退役軍人で、南部連合の奴隷商人だったネイサン・ベッドフォード・フォレスト(1821–1877)を思い出す。南北戦争のピロー砦の戦いで、北軍の武装していない黒人捕虜を虐殺した部隊を率いていた、として戦争犯罪で告発された。白人至上主義の人種差別秘密結社として悪名高い、KKK(クー・クラックス・クラン)の結成者といわれている。その胸像が州議会議事堂にあるが、これを撤去すべきかどうか、長い議論が続いている。詰まるところ、黒人に対する白人の差別の元凶として、すべてが KKK に繋がってゆくのである。余談ながらナッシュヴィルは、ラジオ局 WSM がカントリー音楽の番組 Grand Ole Opry(グランド・オール・オプリ)の公開放送をしていることで知られている。時にカントリー音楽が保守的だと揶揄される所以である。
フォレストと南軍旗 |
The history behind the Edward Carmack statue torn down during protest
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