2019年11月22日

汚れた手でもてあそぶ改憲論

戦争が死語になる日が待ち遠し

自民党は憲法改定に関する国民投票法改正案の成立について、今国会でも見送る方針を固めた。改憲は安倍晋三の悲願ということで、与党側は今の国会の最重要法案と位置付けているが、会期末まで3週間を切るなかで成立は厳しい情勢となった。安倍晋三は残りの任期が2年を切り、この法案が1年以上も足踏みし、憲法本体の議論に入れていないことに業を煮やしているようだ。2014年には歴史的な憲法解釈の変更を行い、第2次世界大戦以来、初めて自衛隊が海外で戦えるようになった。しかし安倍晋三は憲法9条を改悪し、自らのレガシーを仕上げることまではできないでいるのである。公表された自民党の憲法改正草案には「第九条の二 我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全を確保するため、内閣総理大臣を最高指揮官とする国防軍を保持する」と恐ろしいことが書いてある。自民党憲法改正推進本部は昨年3月、党本部で地方議員向けの講演会を開き、各党に示すたたき台素案として改憲項目の条文案を公表した。9条改定案も最終的な条文案が示され、戦力不保持を定めた9条2項を維持したうえで、新設しようとしている「9条の2」に
前条の規定は、我が国の平和と独立を守り、国及び国民の安全を保つために必要な自衛の措置をとることを妨げず、そのための実力組織として、法律の定めるところにより、内閣の首長たる内閣総理大臣を最高の指揮監督者とする自衛隊を保持する。
と実力組織として自衛隊を明記した。現憲法下では自衛隊の存在は違憲である。この主張をすると「丸腰でいいのか」という答えが返ってくる。自衛は必要悪だが、国防費を最小限に抑える必要がある。そのためには、現9条を理想と捉え、目標として守るべき道なのである。軍靴の響きは止めなければならない。

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自由民主党日本国憲法改正草案(2012年4月27日)の表示とダウンロード(PDFファイル 768KB)

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