ミネラルウォーター SULINKA のマッチ棒広告
これはスロバキアの広告代理店
JANDL 社が制作した広告で「胃の火災を防止します。
SULINKA を定期的に飲むと、あなたの消化器系の問題を改善します」という意味のコピーがついている。ピンクのマッチ棒は女の子を指し、ブルーは男の子である。服装の好みもこの傾向が、日本のみならず欧米などでも共通してあるようだ。この謎を探るべため、英国ニューカースル大学の神経科学者、アニャ・ハーバートとヤズ・リンは「
なぜ女の子はピンク、男の子はブルーを着るのか」という実験を行った。実験は、まず20~26歳の男女206人の被験者を対象に行われた。そのほとんどはコーカサス人(白人)だが、37名は中国人を先祖に持ち、中国で育った人たちだった。被験者に違う色のふたつの長方形が点滅しているパソコンの画面を見てもらい、直観で好きな色の方を選んでもらう。色のスペクトルはレッド系とブルー系のふたつに分けられ、長方形はこのふたつのカテゴリーのどちらかに分類されている。この実験からは、男女共、ブルー系が好きだということがわかった。次にさまざまなな色がまじったものから好きな色を選んでもらうことにした。男は色の好みがさまざまだったのに比べ、女性の好みは青から離れた赤系のスペクトラムに偏る傾向があったという。
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トイレのピクトグラム |
幼い自分の娘がピンクのものばかり欲しがるのを見て、韓国の写真家ユン・ジョンミは「ピンクとブルーのプロジェクト」と名付けた写真撮影プロジェクトを始めたという。10年以上前の話である。「見てもらいたいのは、意識していようがいまいが、子どもたちとその親たちは、広告やポップカルチャーから大きな影響を受けているという点です」とユンは言う。「ブルーは強さと男らしさ、ピンクは愛らしさと女らしさのシンボルになっています」というわけだ。衣服の歴史を研究している米国メリーランド大学教授のジョー・パオレッティによると、色と性別が結びついたのは、それほど古いことではないという。19世紀の欧米諸国では、淡い色彩のパステルカラーが人気で「服の色が性別を示すことはなく、肌をきれいに見せてくれる色が選ばれていました」とパオレッティは言う。性別によって身に着けるものの色合いに違いが出始めたのは20世紀前半で、1940年頃までに、ピンクとブルーがそれぞれ、女性と男性に結びついた色として認識されるようになったようだ。「女の子はピンク男の子はブルー」という傾向に、大きな影響を与えてきたのは米国だとパオレッティは話す。バービー人形やヒーロー映画、子ども向けの商品などによって助長されてきたという。トイレのピクトグラム(絵文字)も女性用がピンクで、男用がブルーである。この色分けをしたのはグラフィックデザイナーの道吉剛で、1964年の東京五輪の際に制作したそうである。トイレのピクトグラムは前からあったが、スコットランドのように、男がスカートを穿く国もあるので色分けすることにしたという。
Pink=Girl Blue=Boy: The Relatively Recent History of Gendered Baby Colors by Jason Reid
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