2019年9月6日

歴史を捻じ曲げる東京五輪旭日旗応援

旭日旗は軍国主義と植民地主義の象徴

各紙電子版によると、昨5日午前の記者会見で菅義偉官房長官は、来年の東京五輪パラリンピックの競技場に旭日旗の持ち込み禁止を求める韓国側の動きについて「旭日旗は国内で広く使用され、政治的宣伝とはならず、持ち込み禁止は想定していない」と述べたという。昨今の日韓関係泥沼化を踏まえ、対韓強行策の一環と思われるが、呆れると共に怒りが込み上げてきた。FIFA(国際サッカー連盟)は昨年のW杯ロシア大会からスタジアムからの差別撲滅を目指し、新たに監視システムを導入した。具体的には FIFA の委託を受けた NGO 団体 FARE のスタッフが1試合3人で監視するようになったのである。その FARE が昨年6月に「サッカーにおける差別的慣行に関するグローバルガイド第2版」を公表した。その中で日本の旭日旗を次のように記述している。
The Rising Sun Flag (旭日旗 Kyokujitsu-ki) formerly used by the Imperial Japanese Navy and Imperial Japanese Army until 1945, variations of the Rising Sun Flag are viewed as a symbol of Japanese militarism and colonialism before and during the World War II and considered discriminatory, specifically towards Korean Republic, Korea DPR, and PR China fans and fans from other countries in the region impacted during World War II. The flag is officially used as a symbol of the Japan Maritime Self-Defence Force currently and is also used in commercial advertising; nevertheless the flag symbolism is still seen as discriminatory by the countries affected by Japanese military action during World War II.
要するに旭日旗は日本の陸海軍が終戦まで公式に使っていたもので、日本の軍国主義と植民地主義の象徴だった。これをサッカースタジアムに持ち込んで応援するというのは、韓国、北朝鮮、中国およびその他の国のファンに対し差別だと主張しているのである。ご存知、旭日旗は現在でも自衛隊が使用しているが、自衛隊は紛れもなく軍隊である。軍隊の旗をスポーツの応援に使うことを容認というのは、ファシスト安倍晋三首相への忖度以外の何ものでもない。FIFA がサッカースタジアムでの使用に禁止しているのも関わらず、東京五輪は構わないとは時代錯誤も甚だしい。旭日旗容認は、この旗の下で、日本軍が朝鮮半島や中国の人々を殺したという史実の否定に繋がる。昨今の歴史修正主義者たちの跋扈は目に余るものがある。旭日旗が嫌なら、韓国人は東京五輪をボイコットすればよいと一部のネットワーカーが騒いでいるという。観戦に来なくてもよい、という主張らしい。これを逆手に取れば、旭日旗応援を許すくらいなら、東京五輪パラリンピックは酷暑問題もあるし、開催を返上したほうがよいと主張したい。なにしろ首相は2013年9月、アルゼンチンのブエノスアイレスで開催された IOC 総会で招致演説、真っ赤なウソをついたわけだから。曰く「フクシマについて、お案じの向きには、私から保証をいたします。状況は、統御されています。東京には、いかなる悪影響にしろ、これまで及ぼしたことはなく、今後とも、及ぼすことはありません」でんでん。

PDF  FARE: Global Guide to Discriminatory Practices in Football Ver. 2 June 2018 (PDF 369 MB)

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