John Cohen (1932-2019) Courtesy of Rufus Cohen
ソーシャルメディア Facebook を徘徊していたら、サングラスをかけた、ジョン・コーエンの珍しい写真が目に飛び込んできた。何事かと読んでみたら、息子のルーファスによる父親の死の報告だった。16日夕、リビングルームで息を引き取ったという。パソコンのマウスを握っていた手が凍り付いた。
最後の言葉の大意は「私の存在を認めてくれたみんなに感謝」だが、私には辞世の句に映る。親交があったロバート・フランク(1924–2019)が9日に他界したばかりだが、それを駆け足で追うような死であった。コーエンは写真家、映画制作者、音楽家、伝承音楽研究家として、多方面で活躍した才人だった。イェール大学で美術学修士号を取得した後、1950年代後半から1960年代初頭、ニューヨークで花咲いた芸術、文学、音楽のムーブメントに関わった。その業績すべてを列挙できないが、ロバート・フランクの映画 "Pull My Daisy" の制作に加わり、ビートジェネレーションの作品を記録したことは特筆に値するだろう。1958年にマイク・シーガー(1933–2009)トム・ぺイリー(1928–2017)とNLCR(ニュー・ロスト・シティ・ランブラーズ)を結成、古い SP 盤商業音楽レコードをソースに復元演奏、伝承音楽復興運動の一翼を担った。東南部のアパラチアを旅行、ケンタッキー州でロスコー・ホルコム(1912–1981)を「発見」して制作した映画『ハイ・ロンサム・サウンド』は画期的な作品だった。以来、コーエンはさまざまなテーマについて12を超える映画を制作している。写真集 "There Is No Eye: John Cohen Photographs" はペルーのアンデス、伝承音楽の宝庫アパラチア山系、ブルックリンのゴスペル教会、グリニッジビレッジのボブ・ディランやビートニクの文学者たちなど、50年間に撮影された作品の集大成となっている。
Treasures from the Archive Roadshow: Featuring the Down Hill Strugglers & John Cohen (LOC)
My father John Cohen passed away this evening at home in his living room. David Amram had stopped by and played him Hoagy Carmichael's "Georgia" on the old out-of-tune piano. John was gone a couple of minutes later. Last week he said "Thank you everybody for making me who I was". -- Rufus Cohen
The High Lonesome Sound (1965) |
Treasures from the Archive Roadshow: Featuring the Down Hill Strugglers & John Cohen (LOC)
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