Men's Room, Railway Station, Memphis, Tennessee. From "The Americans" 1959
写真家ロバート・フランクの訃報を、昨日10日、CNNやニューヨーク・タイムズなどが一斉に報じた。朝日新聞電子版がニューヨーク・タイムズの記事を引用したが、同紙朝刊の訃報欄にも掲載された。
ミック・ジャガーはこの作品について、インタビューに答えて「ライブの模様をもっと多く収めてほしかったのに、監督のロバート・フランクが勝手に編集したのが気に入らなかった」と語ったそうである。というわけで、ストーンズのファンの間ではフランクの名が浸透しているようだ。1950年代、フランクはニューヨークに住んでいた作家、画家、その他の写真家とも密接な関係を築いていた。そのひとりが写真家のジョン・コーエンだった。NLCR(ニュー・ロスト・シティ・ランブラーズ)のメンバーだったが、その縁でレコードジャケットのカバー写真を撮影している。ずいぶん昔にフランクの名がクレジットされているのに気づき、驚いたことが思い出される。NLCR は古い SP レコードに記録された伝承民謡を復元演奏したバンドだったが、フランクとの繋がりの意外性、あるいは所以には興味深いものがある。ジャック・ケルアックが写真集 "The Americans" に序文を寄せているが、ビートニクの仲間だったという時代背景に、私は羨望すら覚える。
ロバート・フランクは写真愛好家の間では、よく知られた巨星だが、日本人一般には馴染みがあるとは思えない。そういう意味で死亡記事の掲載は、ニューヨーク・タイムズ紙の影響力を痛感する。ローリング・ストーンズ誌電子版は、ライカを手にした若き日のロバート・フランクの写真を掲載、1972年、彼によって監督されたストーンズのドキュメンタリー映画 "Cocksucker Blues" のエピソードを紹介している。飛行機の中での乱痴気騒ぎ、ホテルの部屋の破壊、コカインを吸うミック・ジャガーなどが記録されているという。裁判所命令により上映が禁止されているが、さまざまな海賊版が出回っているようだ。ロバート・フランク(米写真家)米紙ニューヨーク・タイムズによると、9日、カナダ・ノバスコシア州で死去、94歳。1924年、スイス生まれ。23歳で米ニューヨークに移住した。米国を横断した際の旅の模様を収め、58年にフランス、翌59年に米国で出版された写真集「The Americans(アメリカ人)」はその後の写真界に大きな影響を与えた。撮影する写真は「映画的」などと評され、一見無造作に見える一方、被写体の特徴をとらえた視点が注目された。
Robert Frank holds Leica (1954)
The New Lost City Ramblers (1959) |
The Rolling Stones documentary "Cocksucker Blues" by Robert Frank (Part 1) (Part 2) (Part 3)
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