2019年9月13日

大判 4x5 フィルムをタコ式で現像する

Taco Method Developing with DIC DSP-1F BK Tank

135から8x10まで揃っていたネオパン ACROS 100
富士フイルムが黒白フィルムの開発を再開し「ネオパン100 ACROS(アクロス)II」をこの秋にリリースするというアナウンスが6月にあったが、その後、具体的な情報がない。10月発売なら、そろそろ発表があってもおかしくないのだが。発売を予定されているのは、135および120の2種類だけである。フィルムの醍醐味は大判ほど顕著だと思うのだが、リストアップされていないのが残念である。デジタルカメラに不向きなジャンルに、ピンホール写真をあげることができる。やや専門的な話になるが、ゾーンプレート写真はレンズレス、すなわちレンズを使わずに結像するという点では、ピンホール写真と共通している。しかしゾーンプレート写真はデジタルカメラでも、それなりにソフトフォーカス効果があって面白いが、私の経験では、ピンホール写真は単にボケるだけで、際立った表現効果を期待できないと思う。やはり受光面積が大きいフィルムの登板が待たれるのである。ピンホール写真は大判ほど効果がある。長時間露光に対する特性が優れているので、ぜひ4x5以上の ACROS を発売して欲しい。

現時点では海外製品に頼ることになるが、イルフォードやコダックのフィルムが比較的入手しやすい。大判4x5黒白フィルムは自家現像がお勧めだ。7年前の2012年に「大判4x5シートフィルムの自家現像」という一文をポストした。JOBO の回転式現像タンクを使った方法だったが、リールにフィルム装填する場合、ミスが起こりがちであった。それにこの現像タンクは入手が困難で、余りお勧めできるものでなかったかもしれない。そこで今回はもっと安価で簡便な方法を紹介したい。ご覧のようにフィルムを輪ゴムで丸めて現像するという方法である。フィルムの形がメキシコのトウモロコシ料理のタコスに似るので、欧米ではこれを Taco Method(タコ式)と呼んでいる。タンクは DIC(旧大日本インキ化学工業)の小型密閉容器 DSP-1F BK で、なんと360円で市販されている。液量は約1,000ccで、1:1の希釈現像するにしても500ccの原液が必要である。図のように回転式にすれば、処理液の量を減らすことができる。なおステンレスタンクが好みの場合は、深さが4インチ強のサイズを探すと良いと思う。

0 件のコメント: