2019年8月23日

映画 "Daily Bread" の日本公開を熱望


Jan Ruff O'Herne (1942)
これはオーストラリアのルビー・チャレンジャー制作主演の映画 "Daily Bread" のプレゼンテーション写真である。昨年11月、ワシントンDCで開催された「慰安婦国際映画祭」で公開された作品で、オーストラリアの人権活動家、ジャン・ラフ・オハーンをテーマにしている。ジャンは第二次世界大戦中の1944年、オランダ領東インド起きた、スマラン慰安所事件で日本軍により強姦され、売春を強要されたオランダ人女性の被害者のひとりで、今月19日に他界した。実はルビー・チャレンジャーは、ジャンの孫娘で、写真を見るとそっくりである。1990年代初頭、ジャンは50年の沈黙を破って自らの体験を公表した。彼女は戦時中の女性の権利の擁護者であり、25年の間、ワシントンDCの議会を含む、世界中の公聴会で講演を行ってきたのである。映画を見ていないので詳細は不明だが、オーストラリアとインドネシアの映画製作者の交流フォーラム ReelOzInd! で、質問に次のように答えている。「祖母が《複雑な女》であることを明るみにすること、そして歴史が戦勝者によって書かれてる点を問い糺すことです。日本兵を悪魔化しようとするのではなく、司令官の性格を通して彼らを人間化したいと思ったのです」云々。予告編を見ると、毛がふわふわの愛猫を抱いた司令官が登場するが、彼がキーパースンであることを暗示している。一体どんなストーリーなのか興味深い。安倍晋三を筆頭に、歴史修正主義者が跋扈する現代日本、スマラン慰安所事件という忌まわしい史実を、再認識する必要がある。右翼勢力の反発が予想されるが、一刻も早い日本公開を熱望する。

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