亀裂が入ったまま泥沼と化した日韓外交
韓国大統領府は今月22日、日韓で防衛秘密を共有する GSOMIA(軍事情報包括保護協定)を破棄することを決めた。平静を装っているが、打つ手がない安倍官邸は、さぞかし動揺しているに違いない。軍事に関しては不案内だが、韓国の文在寅大統領の思惑を考察してみた。文大統領は北朝鮮からの避難民の息子として生まれ、弁護士として市民運動や人権運動に参加したという経歴を持つ。彼が朝鮮半島の南北統一を目指し、金正恩朝鮮労働党委員長に秋波を送り続けていることは、ご存知の通りである。その目的が成就すれば「北の脅威」は消滅、ソウルがミサイル攻撃によって火の海になるという懸念がなくなる。またアメリカにとっても脅威でなくなるので、朝鮮半島から米軍は撤退するだろう。そして中国、さらにロシアに寄り添って経済の建て直しを図ろうとするに違いない。それには再び北朝鮮を韓国に振り向かせる必要がある。つまり「韓国の敵は日本である」というシナリオを通すため、日韓 GSOMIA 破棄という英断を下したのではないだろうか。筋書き通りになれば、東アジアで日本は孤立する。古谷有希子氏が Yahoo! ニュースに投稿した「日韓関係の悪化は長期的には日本の敗北で終わる」が炎上、議論を呼んだが、どうやら現実味を帯びてきた。昨日、朝日新聞 AERA dot.が「文在寅の禁じ手『GSOMIA破棄』の狙いは "安倍外し" 素人集団の官邸外交に打つ手なし」という記事を掲載した。安倍官邸は外交の主導権を外務省から奪い、経済産業省出身の官僚が牛耳っている。そして「外交の安倍」を謳いながら対ロシアなど、数々の失政を繰り返している。AERA dot.は「"素人外交" 失敗のツケは、最後は国民がかぶることになる」と結んでいる。まさにその通りである。
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