2016年1月1日

方舟から一羽の鳩が…

北野天満宮(京都市上京区馬喰町)

あけましておめでとうございます。本年も当ブログの購読、どうぞよろしくお願いします。昨年のことになるが、12月23日付の日刊スポーツ紙電子版に、ニコニコとの共同企画による、日本共産党不破哲三前議長へのインタビュー「中心が自己陶酔型で後先考えない」が掲載されていた。一年を総括する意味で、印象的な記事だった。同党のシンパではないが、そのイメージの大きな転換を痛感する。スポーツ紙と動画共有サイトが企画したインタビューであることも、極めて今日的で意義深いものがある。政治家というより、むしろ人生の大先輩が幼い子どもを諭すような印象を受ける。老練にして卓越した意見として読んだが、その内容は的確で私の気持ちを代弁してくれた。一部を引用してみたい。
心ある自民党の人から慨嘆する声は聞こえてくるが、もう皆さん、議員(の立場)を引いている。現職議員は、「唇寒し」だ。自民党の政治は、実に荒くなっている。中心に立つ人が、自己陶酔型で、後先考えないでものを言ってしまう。東京五輪の(国立競技場に関する)新しい案ができるようだが、彼(安倍首相)は(IOC総会で)「世界で誰も見たことのない競技場をつくる」と約束した。しかしあんなふうに(白紙撤回に)なってしまい、いまだに案はできていない。原発の問題でも、「汚染水は完全にコントロールされている」と言ったが、それができれば、誰も苦労しないだろう。首相の言葉に、だれも後付けをしないし、検証もしない。新しいことをする時、前の自民党だったら、本当に綿密に準備をした。マイナンバーなんて、やってみたら、手数が足りずに配り切れないと。当人が(自宅に)いないと、何度配達に行かないといけない。今の郵便局のシステムを考えると、それができるかできないか検証したら分かると思うが。机の上で、大ざっぱな計算をしてやってしまったんでしょう。
議員の数を頼りに暴走を重ねる自民公明、東京オリンピックの開催が予定されている2020年まで政権を維持するつもりだと言う。大阪府市ダブル選挙を勝ち抜いた大阪維新の動向も看過できない。極右から政権を応援、憲法改悪に加担しようとしている。今まさに軍靴の響きが大きく鳴り響いているのである。暗雲が垂れこまれたままだが、しかしその隙間から一筋の光が漏れてきたのが救いである。政治団体SEALDsの出現によって、学生たちが街頭で抗議活動を始めたことである。いわゆる70年闘争の挫折以来、学生たちが反政府デモをしなくなって久しい。それが再び出現したのである。今年はこのような光が大きく拡散、あまねく世を照らして欲しいものだ。奪われつつある民主主義を取り戻し、平和憲法9条を守ることが私たちの責務である。方舟から一羽の鳩が飛び立とうとしている。オリーブの若葉を持ちかえるのを待とう。

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