2015年5月8日

パラゴンに色褪せ始めたデスクトップ・オーディオ構築案

カフェ「ゴスペル」のJBLパラゴン(京都市左京区浄土寺上南田町)

JBL CONTROL ONE
先月下旬「ダリの小型スピーカーに戦慄」と題してオーディオ売り場に迷い込んだ話を書いた。実は迷い込んだというより、漠然とした伏線があっての行為だったと弁解したい。私のパソコンラックにはDAC(デジタル・アナログ・コンバーター)経由で繋がった、ボーズ(BOZE)のアンプ内蔵アクティブ・スピーカーが乗っている。それなりの音がするものの、小さな筺体ゆえ、高音質とは言い難い。そこでデスクトップにアンプとスピーカーを置いたらどうかと考えたのである。目を付けたのがダリ(DALI)社製 "ZENSOR 1" だったのだが、ラックに乗せるにはスペース的に若干やはり無理のようだ。というわけで再びオーディオ売り場に出かけたのだが、JBLのコンパクトスピーカー"CONTROL ONE"の奥行きサイズが浅く、しかも安価だと分かった。3月末のエントリー「光ケーブルでPCオーディオが一歩前進」でレコードプレーヤーをラックの上に引っ越ししたと書いたが、このプレーヤーの下にデノン(DENON)のアンプ "PMA-390RE" を設置すればうまく納まる。〆て実勢価格5万円也。と、ここまで想像の枝が伸びたのだが、パソコンの音源は光ケーブルで従来のオーディオ装置に送れるようにしてあるから、これは無駄な出費になってしまうかもしれない。ところで、オーディオ売り場でも痛感したのだが、ブックシェルフ型のスピーカーは低音がボンボン響き、高音がシャリシャリ鳴る。オーディオは自然音とは違うとは言え、もっと落ち着いた音が出る、昔のオーディオ装置が懐かしくなり、京都・鹿ケ谷のカフェ「ゴスペル(GOSPEL)」に出かけた。美しい洋館で、二階に上ると、かのJBLのパラゴン(PARAGON)が目に飛び込んできた。このスピーカーに関しての私からの解説は遠慮したい。大型の楽器とも表現していいだろう、名機中の名機である。CDがかかっていたので、アナログLPレコードに切り替えていただいた。誇張しない低音、主張しない高音、なだらかな中音、やはりこの音である。3極管アンプも嬉しい。しばしパラゴンが奏でる音響空間に酔ううちに、デスクトップ・オーディオ構築案が色褪せ始めた。さて?

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