2012年6月17日

写真記録された19世紀ニュージーランドのバンジョー夫妻


Lydia and William Williams with their banjos
Photographer: William Williams
Reference number: 1/1-025684-G
Stereographic dry plate glass negative
Photographic Archive, Alexander Turnbull Library
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昨日のエントリーで、Flickrの写真アーカイブCommonsについて触れたばかりだが、同プロジェクトに参加しているニュージーランド国立図書館のページで興味深い写真を見つけた。ガラス乾板によるステレオ写真で、バンジョーを手にした人物が写っている。説明によればニュージーランドの北島の東岸にあるネーピアで撮影されたもので、写っているのはウィリアム&リディア・ウイリアムズ夫妻である。ふたりはこの地域で「ミスター&ミセス・バンジョー」と呼ばれていたらしいのだが、ウィリアム(1859-1948)がウェールズ生まれで、ニュージーランド鉄道局で働いていたアマチュア写真家であったこと以外は詳細不明である。別の写真、ふたりが大きく写っている写真を見ると、リディア夫人のバンジョーは市販品だが、ウィリアムのはどうやら手作りのようだ。バンジョーのルーツはアフリカだが、米国の黒人コミュニティで育まれた「民俗楽器」である。19世紀に顔を黒く塗った白人によって演じられミンストレルショーで使われ、東南部アパラチア山系に広まり、現在の形になったと想像される。ヨーロッパ人がネーピアに入植したのは19世紀半ばであるが、この写真は1890年撮影となっている。リディア夫人が手にしているバンジョーはおそらくアメリカから輸入されたものだろう。しかしいったいどうしてこの楽器を演奏するようになったか興味は尽きない。さらに詳細を調べれば小論文を書くことができるだろう。

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