2011年6月15日

流石パワースポットでも神頼みできない原発事故収束

神殿の札 芸能神社(京都市右京区嵯峨朝日町) Fujifilm Finepix X100

祈願成就 車折神社(京都市右京区嵯峨朝日町) Fujifilm Finepix X100

嵐山からの帰り道、車折神社前でバスを降りた。こうして衝動的に何処かに立ち寄ることが多くなったような気がする。大鳥居をくぐり、表参道を北へ歩くと、夥しい数の朱塗りの玉垣が目に飛び込んできた。境内社「芸能神社」を囲むもので、芸能人の名がずらりと並んでいる。映画産業が隆盛だったころ、近くの東映や大映の撮影所から俳優たちが参詣したことから、この慣わしが定着したらしい。神殿にはこれまた夥しい数の千社札や名刺が貼られている。車折(くるまざき)は京都の難解地名のひとつだが、後嵯峨天皇が嵐山に遊行した際、社前で牛車の轅(ながえ)が折れて動かなくなったことに由来するという。天皇は門前右側の石を「車折石」と呼んで「正一位車折大明神」の神号を贈られたという。円錐形の立砂を祀った「清めの社」があるが、最近これが注目されて、芸能よりむしろ「パワースポット」として全国に知られるようになったようだ。パワースポットというのは、願いごとを叶えてくれる不思議な力といった意味だろう。要するに昔から言われている「ご利益(りやく)さん」なのだが、カタカナに変ずると超神秘的に響くようだ。これにあやかるには次の手順を踏む。祈念神石を授かり、本殿で願い事を強く念ずる。その願い事が叶ったら海や川などで石ころを拾い、お礼の言葉を書く。そしてその石を本殿前の積まれてる所に納める。ふと福島第一原発事故収束の祈願をしよう、という気持ちが脳裡を走ったが、思いとどまった。神頼みで何とかなるなら頼むけど、原発は科学技術でないと解決は不可能だからだ。裏参道から境内を抜け京福電車に乗る。もうひとつの難解地名駅「帷子の辻(かたびらのつじ)」で乗り換え、北野白梅町に戻った。

0 件のコメント: