2011年6月14日

清楚な枯山水の石庭に触れたくなり

滹沱底(こだてい) 大徳寺龍源院(京都市北区紫野大徳寺町) Fujifilm Finepix X100

東滴壺(とうてきこ) Fujifilm Finepix X100

半ば衝動的にバスを降り、大徳寺に寄ってみた。境内には別院2ヶ寺、塔頭22ヶ寺があるが、拝観できるのは高桐院、大仙院、龍源院、瑞峯院の4塔頭だけである。何処に入ろうか一瞬迷う。写真撮影ができない大仙院はパス、青もみじが美しいだろう高桐院にしようと思ったが、結局龍源院にした。私は雑草が生い茂ったような茫漠たる庭が好きだが、たまに禅寺の清楚な枯山水の石庭に触れたくなる。庫裡で拝観料350円を払い、畳敷きの書院に入ると、南軒先に滹沱底(こだてい)と名付けられた阿吽の石庭が見えた。ずいぶん難しい漢字だが、中国河北の鎮州城に流れる滹沱河に由来すると拝観の栞にある。写真右上にある石が「阿の石」で、聚楽第の基礎石と伝えられてるという。廊下伝いに方丈を一周する。南側の方丈前庭、北庭と回り、方丈東側の東滴壺(とうてきこ)に出た。傍らに説明板があり「日本最小の石庭で、つぼ庭として珍しく、格調殊に高く有名な庭である。一滴潺々(せんせん)碧水煙る、と古人も詠っている。谷間に"ぽとぽと"と滴り落ちる水玉が集まり集まって谷川となり大河となり、そして洋々と涯しない大海原となる。塵も積もれば山となるの喩の通りである。云々」とある。小さな自己を捨て思い切ってぶつかれば必ず成就すると、この石庭は物語っているそうだ。なるほど、なるほど、禅宗はやはり深読みをする必要があるようだ。塔頭を辞して千体地蔵塚に向かった。この寺の石仏群に会うのも久しぶりだ。

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