2020年11月16日

サウンドホールを開けたバンジョー

Fred Van Eps

これは米議会図書館のサイトで見つけた、バンジョー奏者で製作者のフレッド・ヴァン・エップス(1878–1960)の肖像写真だ。手にしたバンジョーをよく見ると、ギターと同じような丸いサンウドホールが開いている。ヴァイオリンの f字孔もそうだが、弦振動によって生じたボディ内の共鳴を外に向かって放出する役割を持ち、ギターの音量や音質に影響を与える。瓢に絃を張ったバンジョーが北米におけるルーツで、白人が黒塗りのメイクをしたミンストレルに使われた。そして進化し、薄い片面太鼓に絃を張ったバンジョーが工場生産される。さらに胴の背に共鳴板をつけたもの登場する。エップスの Van Eps Recording Banjo は丸底の中華鍋のような音響反射板がボディについているが、より大きな音を出すためにサウンドホールを開けたようだ。1930年頃まで製造されたが、共鳴板をつけたリゾネーターバンジョーに席巻されてしまう。

Van Eps Recording Banjo

エップスはニュージャージー州ソマービルで生まれ。時計職人として働いていた、父親のジョン・ペリー・ヴァン・エップスの勧めで、7歳の時に初めてバイオリンを学ぶ。12歳の時、彼はジャージー中央鉄道の車掌、ジョージ・W・ジェンキンスが弾いたバンジョーを聴き魅了される。父親は最初にバンジョーのための彼の息子の懇願を拒絶したが、母親が最終的に彼のために購入し、ジェンキンスに師事した。1892年に家族と共にニュージャージー州プレーンフィールドに移住した。そして20世紀初頭の代表的な5弦バンジョー奏者、シルベスター・オスマン(1868–1923)の蝋管録音を聴いて演奏法を研究する。1897年にニュージャージー州ウェストオレンジにあったトーマス・エジソン(1847–1931)の国立蓄音機会社に雇われ、レギュラーとしてスタジオで活躍した。ノース・カロライナ・ランブラーズを率いていたバンジョー奏者、チャーリー・プール(1892–1931)に大きな影響を与え、今日のブルーグラス音楽の礎になったことは特筆すべきだろう。1930年代になるとギターに転向し、スタジオミュージシャンとしてジャズクラリネット奏者のベニー・グッドマン(1909–1986)らと共演した。また英国のバンジョー作曲家フランク・ロウズ(1894–1970)と親交があり、彼といくつかの作品を録音した。1960年、カリフォルニア州バーバンクで他界、81歳だった。

YouTube  Fred Van Eps banjo solo "Patrol Comique" on Edison Gold Moulded Record 2627 (1907)

2020年11月14日

全米で大勢判明バイデン当選確実

Presidental Result
第46代米大統領にジョー・バイデン就任へ(CNN)

米国 CNN テレビ電子版によると米大統領選は13日、30年近く共和党の地盤となっていたジョージア州で、民主党候補のバイデン前副大統領が勝利を確実にした。民主党候補が同州を制するのは1992年のビル・クリントン氏以来28年ぶり。バイデンはこの勝利により選挙人を16人上積みし、選挙人数の合計で前回トランプ氏が獲得した306人に並んだ。ノースカロライナ州はトランプが押さえるの見通し。最終的な選挙人獲得数は306人対232人となり、バイデンの当選が確実になった。トランプ大統領はジョージア州の大勢判明から間もなく、ホワイトハウスで記者発表を行ったが、新型コロナウイルス対策について説明するにとどまり、敗北宣言はしなかったようさ。また記者の質問も受け付けず会場をあとにしたという。

CNN  Presidential Election Results and Electoral Map 2020 | Cable News Network (CNN)

2020年11月13日

科学を軽視したトランプ米大統領の四年間

cartoon

ドナルド・トランプ米大統領(74)は、対立候補のジョー・バイデン前副大統領(77)の当選確実が報じられて以降、根拠を示さずに選挙に不正があったと主張。選挙が「盗まれた」と発言し、法廷闘争に臨む姿勢を崩していない。民間人になると大統領特権が機能しないので、あらゆる手段使い選挙民主主義を破壊しようとしているように見える。ところで英国の総合学術雑誌「ネイチャー」電子版が「トランプが科学に与えたインパクトのタイムライン4年間」という興味深い記事を掲載している。

2017年1月:イスラム大国を断絶
トランプは大統領になってわずか2週間目にして、イスラム大国7カ国の人々の米国への入国を禁止する命令に署名した。この命令は、これらの国の研究者やその共同研究者の間でも、恐怖と混乱を呼び起こしている。この命令の様々なバージョンに対するいくつかの法的挑戦の後、米国最高裁判所は最終的に、より限定的な禁止のバージョンを支持した。
2017年3月:科学分野の予算
2018年最初の予算案は、米国環境保護庁(EPA)や米国国立衛生研究所、その他いくつかの科学機関の予算削減を求めた。歳出水準を決定する米国議会はこれを無視した。同月、トランプは前任者のバラク・オバマの気候変動政策を解体することを目的とした行政命令に署名した。この命令は、発電所からの炭素排出量の制限を撤廃するように EPA に指示している。
2017年6月:パリ協定撤退
トランプは米国が国際的な2015年のパリ気候協定から撤退すると発表し、科学者からの反発を買う。
2017年12月:月飛行計画
トランプは NASA に宇宙飛行士を再び月に送ることに取り組むよう指示し、NASAの優先順位の変更を示した。政権はその後、この目標に2024年を期限とする設定をした。
2008年4月:データ禁止
トランプ氏が米国環境保護庁(EPA)長官に任命したスコット・プルーイットが、EPA が基礎データが公開されていない研究に基づいて、規制上の決定を下すことを防ぐ規則を提案――その中には、汚染物質の健康への影響に関する研究など、医学的なデータに頼った研究も多く含まれている。
2008年5月:核合意離脱
トランプ氏が米国がイランとの核合意から離脱すると発表し、多くの研究者から批判を浴びる。
2008年7月:任命の遅れ
トランプは気象学者のケルヴィン・ドログマイヤーを科学顧問に指名。少なくとも1976年にホワイトハウスに科学技術政策室が設立されて以来、他のどの第一期大統領よりもこの役職を任命するのに時間がかかった。
2019年4月:助言者のキャンセル
米国の研究者は、政府に技術的なアドバイスを提供し、多くの著名な科学者や学者を含む独立したグループである JASON の長年の関係を中止するという国防総省の決定を非難。
2019年9月:シャーピーゲート
トランプがアラバマ州はハリケーンの接近で予想以上に打撃を受ける可能性が高いと偽って主張、大統領と矛盾する国立気象局 の予報士を批判。その後の政府の調査で、政権の行動が気象予報に対する国民の信頼を損なう可能性があることが判明した。
2019年11月:さよならパリ
トランプが米国を2015年のパリ気候協定から離脱させるプロセスを開始。
2020年2月:ウイルスに対する誤情報
トランプがコロナウイルスは「軽度」で「インフルエンザのようなもの」だから心配するなと発言。しかし、9月まで公開されなかったジャーナリストのボブ・ウッドワードとのインタビューの録音で、トランプは、ウイルスはインフルエンザよりもはるかに悪化しており、パニックを起こさないように意図的に脅威を抑えていると述べている。
2020年4月:WHO を非難
米国のコロナウイルス死亡者数が急速に増加したため、トランプは中国と世界保健機関(WHO)を非難し、同機関への米国の資金提供の凍結を誓約。大統領は、疑わしい証拠があるにもかかわらず、COVID-19 の治療薬としてクロロキンとヒドロキシクロロキンを誇大宣伝。その後の研究では、この薬がこの病気に有効であるという証拠は何も示されていない。
2020年5月:ワクチン競争
トランプが、2020年末までに COVID-19 の原因となるコロナウイルスに対するワクチンを製造することを目的とした「ワープ・スピード作戦」を発表。トランプは米国が WHO から脱退することを宣言。
2020年8月:検査の混乱
疾病予防管理センター米国(CDC)が症状のない人はCOVID-19の検査を受ける必要がないことを示唆する、改訂されたガイダンスを発行、科学者や公衆衛生関係者の間に怒りと混乱を巻き起こした。
2020年9月:ガイドラインを覆す
CDC は、その母体である米保健福祉省の政治的任命権者が、適切な科学的レビューを受けずに新しい検査指針を公表していたとの報道を受けて、新しい検査指針を覆した。トランプは、選挙前の10月までにコロナウイルスワクチンを準備すると発表し、承認プロセスが政治に影響される可能性があるとの懸念を示す。
2020年10月:大統領の病気
トランプ、夫人とともに新型コロナウィルス感染症 COVID-19 の陽性反応が出たことを発表。彼は中等度から重度の症例と一致する症状を経験しており、実験的な治療を受けた。

イスラム大国の人々の入国禁止から、有人宇宙飛行、コロナウイルスの大流行まで、ドナルド・トランプ米大統領の政策と行動は「科学を変えた」とネイチャー誌は述べている。自らの発病により、ホワイトハウスにクラスターが発生するという異常事態が起きたことは記憶に新しい。大統領選でトランプが負けたのは、コロナウィルスの脅威を無視して対策を怠ったツケが回ったためだろう。米国の感染者は増え続け、2020年11月13日現在の死亡者数は24万3,000人、科学を理解できず、無視した為政者が多くの犠牲者を生んでいる。

science  A four-year timeline of Trump's impact on science | nature magazine

2020年11月11日

閲覧者が 4,000 人を超えた Facebook ページ

Mike, Peggy and Pete Seeger ©1995 by Dave Gahr

ソーシャルメディア Facebook で私が管理しているページ「アメリカンルーツ音楽」の閲覧者が4,000人を超えた。なぜ日本人がアメリカ音楽のページを、と不思議に思う人が多いかもしれない。同サイトには外国人が作っている日本の浮世絵やヲタク文化のページもあるし、そういう意味では別に不思議ではない。ページを「いいね!」した人の性別と年齢の集計データを見てみよう。ユーザーのプロフィールに記載されている情報に基づいて集計された推定値でである。男女とも65歳以上の高齢者が一番多い。ソーシャルメディアは若年層というイメージなので意外だ。利用者が Facebook プロフィールに入力した年齢や性別などのさまざまな要素に基づいて集計されたものだそうである。管理人が日本人と知った人から「日本語で」というメッセージが届いたが、外国人のほうが多いので、と返信したこともある。

国別閲覧者のトップテンは次の通りだった。( ) 内は人数。
  1. アメリカ合衆国(2,700)
  2. イギリス(193)
  3. 日本(180)
  4. カナダ(100)
  5. オーストラリア(80)
  6. フランス(62)
  7. イタリア(59)
  8. ドイツ(43)
  9. スペイン(35)
  10. ブラジル(33)

アメリカからのアクセスが圧倒的に多いが、イギリス、カナダの英語圏、そして英語を解する人が多いヨーロッパからと続くのがお分かりいただけると思う。日本が3番目だが、これは私の Facebook フレンドが含まれているからだと思う。閲覧者が1万を超えるページがざらにあるが、4,000人は4番目のマイルストーン、日本流にいえば距離は違うが四里塚だと思う。それにしても創設が昨年1月31日だから、ここまで達するまで意外と時間がかかったと思う。次のマイルストーンは5,000人だが、さて、いつ達成するだろうか?

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