2013年6月5日

Facebookの広告をブロックするChrome拡張機能を試してみた


迂闊にも最近気付いたのだが、Facebookのタイムラインに通販サイトAmazonのリンクをシェアした書き込みが何度も表示されるのは、実は巧みな広告だということだった。新たにコメントが付いたから再表示される思っていたのだが、その気配はなく、よく見ると小さな「広告」マークが付いている。書籍や音楽CDについて投稿するときにAmazonの商品へリンクさせたものの、広告に使われていること知らない人も多いのではないだろうか。この件に関しては「FacebookにAmazonのリンクをシェアすると、広告としてウォール上部に繰り返し表示されます」というブログ記事に詳しい。さらに「Facebookユーザーは要確認!Facebookの広告に自分の情報を利用させない設定」が参考になる。

ただしこれは自分の投稿に対してだけであって、他者のそれが非表示になるわけではない。しかし投稿してる人にこの点を伝えるのも煩わしいし、第一余計なお節介である。そこでいっそ広告を非表示にするChrome拡張機能を試用してみた。まさにビフォーアフター、劇的な変化で、広告が消えてしまった。Facebookは広告で成り立っているので、それを否定するつもりはないし、ブロックするのはどうかと思う。しかしタイムラインに繰り返し表示される、ユーザーの投稿を利用した広告は、正直言って如何なものかと疑問が生ずる。継続してこの拡張機能を使うか考えあぐねているが。

2013年6月4日

天安門事件から24年

天安門広場に向かう戦車の前に立ちふさがる市民(1989年6月4日)©Stuart Franklin

今日6月4日は天安門事件から24年、中国共産党は「終わったこと」として、ネットでの書き込みを次々と削除しているという。以下は確か1991年に書いたエッセー「私的写真論への覚書(30)天安門」で、そのまま再掲載することにします。
中国の楽器が壁にたてかけてあった。聞けば日本の三味線の絃を張ってあるという。京都上七軒、私たちは芸妓さんが経営するバーにいた。女将さんに調律してもらう。本調子でね。市バスを降りて、三条を東へ、あの娘は来ない、鴨川プカリ。酔った私は自作の歌を歌う。M君がビデオを回したようだ。すぐに再生する。ははは、音痴だな、と私は照れる。席を替えてお茶屋のカウンターへ繰り込む。昔は凄かったね、とN君がいう。M君もN君も写真週刊誌の契約カメラマンだ。まあね、面白かったし。最近はどうしたんですか、元気がないじゃないですか。隠遁したんだよ、京都にね。今日の記者クラブ、ひどいじゃないですか。N君が突然憤慨しはじめた。

ラエちゃんは横浜の大学を出たあと一年間民間会社勤めをして京都に帰ってきた。わたし、首都圏の生活に疲れたの。ぼくもそうなんだよね、もうあんなとこで働くのはまっぴらだね。わたしも。バイト先でラエちゃんは中国人のRさんと知り合った。私は深い事情は聞かないことにした。Rさんはビル掃除のアルバイトをしていて、そのビルでラエちゃんは働いていた。彼女は学生時代に歴史を勉強、専門は騎馬民族の研究だった。第二外国語は中国語。ラエちゃんはRさんの奥さんであるKさんから中国語を習うようになった。あのー、天安門事件のビデオあるかしら。どうして? Kさんが見たいんだって。

宝ヶ池の国立京都国際会議場。来日した中国の天体物理学者、方励之氏が会見場に現れる。私自身は学生に何も指示しませんでした。学生たちが私のところにきたのは事実ですし、私の発言に影響を受けたのも事実でしょう。方氏は記者の質問に淡々と答える。天安門事件のとき「学生を扇動した」とされる中国共産党を除名された国際的学者。出国した方氏はプリンストン大学高等学術研究所に招聘された。あの有名な『アインシュタインの部屋』がある研究所だ。質問は中国の民主化運動に集中する。

私の意識はふとその高等学術研究所にいたフォン・ノイマン博士の逸話にシフトする。世俗にまみれない学者の世界。コンピュータの歴史の本に必ず出てくるのがペンシルバニア大学で一九四六年に作られたエニアック。総重量三十トン、使われた真空管一万八千八百本。これが世界最初の電子計算機と呼ばれている。このエニアックの改良をしたのがノイマン博士だ。計算機を外側から制御するのではなくプログラムという概念を導入する。今日に至ってもプログラムを内蔵させ、命令を実行するコンピュータをノイマン型と呼んでいる。研究所の一室に忽然と現れた巨大な化物。歴史の中で誰かが驚愕している。そしてその歴史の中で私は微笑む。もっとプリンストンの生活を聞いたほうが面白いのに。会見場を出るとN君が扉にへばりついて聞き耳をたてていた。かれは記者クラブから追い出されたのだ。

RさんKさん夫妻 [*] の仮住まいは同志社大学近くにあった。狭い。六畳一間だろうか。炬燵。Kさんがラエちゃんに中国語の講義をはじめる。終わると手作りの中国料理を出してくれる。夫妻は北京とは離れた地域出身。それでも医師であるKさんは北京語を話す。日本語も上手。あのテープはもういいのです。そうですか。何かに脅えてるようだ。夫妻は天安門事件の詳細を知らないらしい。人民軍が人民に銃を? 映像を見るのが怖いらしい。Rさんは元教師。党結成以来のバリバリの共産党員だという。夫妻の帰国時期が迫っていた。
[*] RさんKさん夫妻と書いたのは中国では夫婦別姓だからです。ノイマン博士の下りはエド・レジス著『アインシュタインの部屋』(大貫昌子訳・1990年・工作舎)を参考にしました。

2013年6月2日

大判8x10黒白シートフィルムの自家現像

乾燥 大敵である埃を避けるためバスルームに吊り下げる

JOBO #2850  Drum
久しぶりに大判8x10黒白フィルムの自家現像をしてみた。一年ほど前に「大判4x5シートフィルムの自家現像」という一文を投稿したが、実は4x5と8x10は大違いである。ずいぶん昔になるが、デアドルフ8x10を持ってる友人に現像方法を尋ねたことがある。彼もいろいろ調べたようだが、結局バットによる「皿現像」に落ち着いたという。コツは大き目のバットにたっぷりと処理液を注ぐことだという。この方法はやったことがないが、どうも現像中にフィルムに傷を付けてしまうような気がする。もうひとつの方法は、アルミのハンガーを使い、四角い塩ビのボックス型現像タンクを使う方式である。これは4x5では経験があるが、8x10ではない。この方法はかつてコダックが推奨していた記憶があるが、最近の解説書には書いてないようだ。難点は適切な撹拌をしないと現像ムラが生じてしまうことだ。さて、以上の二通りの方法だが、以下の理由で採用していない。ひとつは液量が多いという点。私は1:1の希釈現像液を使っているが、現像後は貯蔵せずに廃棄している。
JOBO Expert Drum #3005

従って現像液使用を抑えたシステムが望ましい。そしてこれはおそらく私だけの問題かもしれないが、現像中暗黒状態で作業するのは心理的にちょっと辛い。印画紙のようにセーフライト使えないからだ。というわけで4x5同様JOBOの回転式現像タンクを使っている。8x10のフィルムを5枚いっぺんに処理できるJOBO#3005が欲しいのだが、ちょっと入手困難である。次善策として本来は印画紙処理用のJOBO#2850を流用している。ドラム1個だと2枚しか処理できないが、ふたつ繋ぐと4枚現像できる。ただこれは印画紙用なので、セーフライト下で処理するように設計されている。だから暗黒下でフィルムを装填するにはちょっと厄介である。最大の問題点は連続撹拌による品質劣化だが、比較材料を持ち合わせていないので、結論し難い。8x10は4x10の4倍の面積だが、処理にかかる手間は4倍以上だと思う。蛇足ながら自家現像で気を使うのは埃の付着である。入浴後、窓とドアを閉め切ったバスルームで乾燥している。湯気で空気中の埃が落ちるからだ。スタッフカメラマン時代は設備が整った暗室を使えたが、マンション住まいの今、いろいろ苦労している。

PDF  コダック黒白フィルム現像時間一覧表  PDF  コダックD-76デベロッパー現像時間

2013年6月1日

新緑の東本願寺渉成園を散策する

印月池 渉成園(京都市下京区正面通間之町) Fujifilm Finepix X100

東本願寺の渉成園(しょうせいえん)に出かけた。池泉回遊式庭園をもつ、飛地境内地にある別邸で、国の名勝に指定されている。庭園の中心となる印月池(いんげつち)には睡蓮が咲き乱れ、鯉が悠然と泳いでいた。池畔の繁みに茶室などの建物が点在、街中とは思えぬ風景を作っているが、京都タワーや高層マンションが見え隠れするのが残念である。しかし烏丸通と河原町通に挟まれながら、園内は静かだ。青モミジが眩しく、秋の紅葉の壮絶を夢想した。