2012年1月2日

口あいて落花ながむる子は佛


仏花 東本願寺大谷祖廟(京都市東山区円山町)Sony NEX-5 + Zoneplate

東大谷墓地に家人の実家の墓があるので、毎正月に墓参りするのが欠かせぬ習慣になってしまった。墓地は大谷祖廟に隣接しているが、この御廟の雰囲気が私は好きだ。臨時の花壇が作られていて、夥しい数の花とともに、花文字が形どられている。今年は「同胞」である。親鸞聖人は『歎異抄』に「弟子一人も持たず候」と書いた。つまり念仏は弟子を教化する教えではない、人間関係は上下に関係なく、本当の友だち、すなわち同胞だと説いたという。美しくおごそかに飾ること、仏教では荘厳(しょうごん)と呼ぶ。廟に供えられた仏花が溢れ、この花壇に流用されるという。このような花の再利用を再荘厳と呼ぶそうだ。境内の一角に句碑があり「口あいて落花ながむる子は佛」と刻まれている。真宗大谷派第二十三世法主の彰如上人が詠んだものだ。

2012年1月1日

あけましておめでとうございます


双龍図 建仁寺(京都市東山区大和大路通四条下る)NikonD700 Nikkor28-70mm F2.8

謹賀新年。今年は辰年、これにちなんだ龍の天井画をお届けしたい。これまで年賀状は干支に関係ない図柄ばかりだったが、今年この写真を使った。建仁寺法堂にあるもので、同寺創建800年を記念して2002年に奉納された。作者は小泉淳作氏。大きさが11.4×15.7メートル、たたみ108畳分と巨大で、北海道帯広市郊外の廃校で制作したものだという。

参考:臨済宗黄檗宗各派本山の雲龍図

2011年12月31日

黒白写真のハイブリッド処理研究は年を越してから


段差堰 桂川(京都市右京区嵯峨天龍寺造路町)Harman Titan 4x5 Pinhole + Ilford Delta 100

JOBO Rotary Tank #2521 and #2529n
10日ほど前に届いたイルフォードのピンホール写真キットのテスト撮影をしてみた。ハーマンテクノロジー社のカメラは前回紹介したように、焦点距離:72mm(2.8in) 針孔口径:0.35mm(0.0138in) F値:206 画角:97°である。長時間露光であることが分かるように、嵐山の桂川を撮影した。天候は薄曇りで、オレンジフィルターを付けていたので2絞り分暗く、露光は約30秒だった。JOBOの回転式タンクを使い、現像液は1:1に希釈したD-76で、液温20℃、時間は15分だった。ネガをエプソンのF-3200でスキャン、ややセピア色がかった、ちょっと面白い画像だったのでそのままセーブ。続いてカラー情報を破棄してセーブした。彩度をゼロにしてカラー情報を残したほうがいいのか、これは今後の課題である。旧ブログでも何回か触れた記憶があるが、カラー情報を破棄した写真を一般にモノクロームと呼んでいる。確かに単色だから、そうに違いないが、銀塩のそれはちょっと違うと感じてきた。つまり真の黒白写真の黒は銀粒子のそれであって、染料の色素ではない。だから元がフィルムであれデジタルカメラのそれであれ、銀粒子なしの写真は黒白写真と呼びたくなかったのである。フィルムで撮ったものは、銀塩ペーパーに焼く、それが当然と考えてきた。しかしアナログ→デジタル変換、つまりハイブリッド処理によるエンハンスもあっていいのでは、と最近感ずるようになった。フィルム現像はともかく、プリント暗室を持ってないという事情もあるが、ひとつの方法論として来年は進めようと思う。さて大晦日、今度こそこれが今年最後の投稿です。それでは良いお年を。

2011年12月29日

まるで時計の振り子のようだが


玩具 モニカ(京都市上京区御前通今出川下る) Sony NEX-5 + Zoneplate

年内のブログ更新はお終いにするつもりで前回「良いお年を」と書いたけど、まだ積み残しがあるようだ。昨日、年の瀬の風景を撮ろうと北野天満宮に出かけたが、余りにも風が冷たく、早々に切り上げて、御前通を今出川通から南に下がったところにあるケーキ&喫茶店「モニカ」に飛び込んだ。コーヒーを啜りながら水上勉の「一休を歩く」を紐解いた。一休宗純のゆかりの地を訪ねた紀行文学である。ものすごく良い本だけど、集英社文庫版は絶版である。しかし何とアマゾンのマーケットプレイスでは1円の値がついている。なぜ1円なのか、それを書こうとすると大幅に脱線しそうなので、その不思議はいずれ触れることにする。会計を済ませて店を出ようとしたら、玩具のクラシックカーが眼に飛び込んできた。上掲の写真がそれである。そして外に出て振り返り、また一枚、素敵なネオンを。いずれもゾーンプレート写真である。


黄昏 モニカ(京都市上京区御前通今出川下る) Sony NEX-5 + Zoneplate

半年前まではゾーンプレート写真をニコンのデジタル一眼レフD80で撮っていたが、8月からソニーのミラーレス一眼NEX-5に切り替えた。これに関してはその一ヶ月強前に「フランジバックが短いミラーレス一眼カメラへの憧憬」という一文を投稿した。導入して気づいたのだが、ゾーンプレートを付けるとD80では自動露出ができなかったのに、NEX-5では可能。感度の変更も自動で、しかも背面液晶モニターでライブビューができる。まさにイージーショットの極みである。というわけで、このカメラで五ヶ月間撮り続けてきたわけだが、4月下旬に導入した富士フイルムのX-100も手放すことはなかった。ご存知、ゾーンプレート写真はソフトフォーカスで、やや非現実的な画像を得ることができる。従ってX-100で捉えたストレーと写真とは矛盾する作品作りをしてきたことになる。まるで時計の振り子のようだが、双子座生まれゆえの所業かもしれない。