東大谷墓地に家人の実家の墓があるので、毎正月に墓参りするのが欠かせぬ習慣になってしまった。墓地は大谷祖廟に隣接しているが、この御廟の雰囲気が私は好きだ。臨時の花壇が作られていて、夥しい数の花とともに、花文字が形どられている。今年は「同胞」である。親鸞聖人は『歎異抄』に「弟子一人も持たず候」と書いた。つまり念仏は弟子を教化する教えではない、人間関係は上下に関係なく、本当の友だち、すなわち同胞だと説いたという。美しくおごそかに飾ること、仏教では荘厳(しょうごん)と呼ぶ。廟に供えられた仏花が溢れ、この花壇に流用されるという。このような花の再利用を再荘厳と呼ぶそうだ。境内の一角に句碑があり「口あいて落花ながむる子は佛」と刻まれている。真宗大谷派第二十三世法主の彰如上人が詠んだものだ。
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