2024年1月15日

ヴィクトリア朝の典雅な女性写真家たち

Victorian Elegant Women Photographers

ヴィクトリア朝(1837-1901)の女性写真家といえば、おそらく誰もが英国のジュリア・マーガレット・キャメロン(1815–1879)を思い浮かべるに違いない。19世紀後半の写真芸術家として、今日に至るまでその評価は極めて高い。写真術はフランスのジョゼフ・ニセフォール・ニエプス(1765–1833)が1822年に発明した、太陽で描くという意味の「ヘリオグラフィ」に始まる。黎明期の写真家は男たちだったが、2013 年から 2021 年まで発行された米国の写真芸術雑誌 "Don't Take Pictures"(写真を撮らないで)の編集長、キャット・キーナンの「カメラを手にしたヴィクトリア朝の女性写真家たち」によると、20年後の1840年代には、早くも女性の商業写真家が現れたという。フランス、ドイツなどの西欧、そしてスウェーデン、デンマークなどの北欧に集中、彼女たちはスタジオを持っていた。英国では1850年代に貴族の家庭の女性たちが、芸術として写真というメディアを使い始めたというのである。その装束を見ると、貴族階級の女性たちだったというキーナンの説明が頷ける。ちなみにキャメロンが写真家として歩み始めたのは1863年、娘からカメラを贈られたのがきっかけだった。ただ彼女は例外的稀有な存在で、多くの女性写真家の作品は美術館に展示されたり、出版されることがなく、今日に至るまで陽の目を見ていないと言えそうだ。ドロシア・ラング(1895–1965)やマーガレット・バーク=ホワイト(1904–1971)など、女性が報道写真に進出したのは20世紀に入ってからだった。なお下記リンク先のサイトにヴィクトリア朝の女性写真家の写真14点が開催されている。

photographer  Victorian Women Photographers with their Cameras by Kat Kiernan | Don't Take Pictures

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