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カウボーイハットが欲しくなり、ネット通販サイトを通じて南米エクアドルのビガリ社製 MARTIN(マルティン)を手に入れた。イタリアから移住したエジオ・ビガリ・コルバーニが1928年に創業した、世界に名を馳せているているブランドである。カウボーイハットといえば1865年に "Boss of the Plains"(平原のボス)と呼ばれる帽子を作ったフィラデルフィアのジョン・B・ステットソンが頭に浮かぶと思われる。丸く平らなつばと滑らかで丸みを帯びたクラウンという、どちらかといえば平凡なデザインだった。ステットソンは風雨に耐えられるよう、ビーバーやウサギなどの小動物の上質な毛皮で帽子を作った。その耐久性のおかげで、ウェスタナーの要求に理想的で、絶大な人気を博した。しかし1970年に製造を中止、ステットソンハットは現在、テキサス州ガーランドでハットコ社によって製造されている。ビガリ社製の MARTIN(マルティン)は単に中折れのフェルトハットとなっているが、デザインは紛れもなくカウボーイハットである。ところでアルゼンチン、ウルグアイ、ブラジルのリオグランデ・ド・スルに居住し移動する馬乗りを Gaucho(ガウチョ)と呼ぶが、エクアドルの Chagra(チャグラ)はカウボーイと言える。これは単なる呼び方ではなく、生き方そのものである。牧草地の土壌である高地アンデスパラモの環境の厳しさと特徴が織り込まれた牛飼いの農民である。火山の雪山では、牛がさまざまな土地を長距離移動するが、多くの場合、迷走を防ぐ柵がない。チャグラと彼の馬、彼が飼い育てている牛、そして風景との一体性について語るとき、この作品にはロマンチックな雰囲気が与えられるのである。チャグラは卓越した馬術の腕前と馬への揺るぎない献身で有名だ。彼らはアンデスの大自然の中で牧畜を営み、その世話を馬に依存している。チャグラと馬の密接な関係が、農民たちの日常生活を支えている。彼らはまた、エクアドル最大の祭りのひとつであるエル・パセオ・デル・チャグラでも重要な役割を果たしている。
チャグラはニワトリやモルモットなど、さまざまな家畜も飼育している。彼らの家族は妻や子供たちであり、彼らが暮らす極度の高地のために種類が限られている小さな農地を耕作している。ロデオやキャトル・ランは彼らの生活の一部であり、チャグラは伝統的な乗馬服で簡単に見分けられる。彼らはチャップス(地元ではザマロと呼ばれる)にスカーフ、帽子、ポンチョ、ブーツを身に着けて騎乗する。彼らの馬には、サドルのパッドと、チャグラが投げ縄として使うベータと呼ばれるロープを備えた快適なウエスタンサドルが装備されている。毎年7月にキト郊外のマチャチという町で開催されるエル・パセオ・デル・チャグラには、伝統的な乗馬服に身を包んだ何百人ものチャグラが山やその周辺地域から集まってくる。この祭りはキトの農業祭りの一環で、1877年にルーツがある。この年、コトパクシ火山が最後の噴火を起こし、地元の人々は牧師にサンタの学校の主の移転を懇願した。その後何年も大きな噴火が続いたが、歴史に残るような噴火はなかった。学校の移転をきっかけに、ミサと騎馬行列が行われ、それがチャグラ行列の散歩道となり、パセオ・デル・チャグラとなった。そのため、何百人もの騎馬武者がこのイベントに参加し、自慢の馬に乗ってマチャチの街を駆け抜ける。お祭りでは、ジャガイモ料理、豚肉料理、地元産のトウモロコシなどの伝統料理が振る舞われる。馬が好きな人なら間違いなく楽しめる祭りであり、エクアドルの文化を体験する絶好の機会になるだろう。
Cowboys of South America by Author Cora Leland | Sweethearts of the West | Blogger
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