Elliott Erwitt |
エリオット・アーウィットは1928年6月26日、フランスのパリで生まれた。1939年、アーウィットが10歳のとき、ロシア出身の一家はアメリカに移住した。ニューヨークのニュースクール・フォー・ソーシャル・サイエンスとロサンゼルス・シティ・カレッジで1950年まで写真と映画制作を学ぶ。その間、アシスタント・フォトグラファーとして活躍、エドワード・スタイケン(1879-1973)やロバート・キャパ(1913–1954)などの著名な写真家と出会う機会を得た。アーウィットは、FSA(Farm Security Administration; 農業安定局または農業保障局)のロイ・ストライカー(1893-1975)に雇われ、スタンダードオイル社のプロジェクトを担当した。その後、フリーランスの写真家として活動を始め『ライフ』『ルック』『ホリデイ』誌などで活躍した。
1953年、アーウィットは写真家集団マグナムフォトに参加し、国際的なプロジェクトに参加することができた。アーウィットが広く取り上げてきたテーマは犬。『エリオット・アーウィットの犬』(2008年)『ワンワン』(2005年)『ドッグ・ドッグ』(1998年)『雌犬の息子』(1974年)と、4冊の本で犬が取り上げられている。一番最初の本のタイトルはとても興味深くユーモラスである。アーウィットは犬を、ある状況では面白く、人間のいくつかの性質を持っていると表現している。その後、2009年に『アンドレ・S・ソリダールの芸術』を出版し、2011年にはロンドンのポール・スミス・ギャラリーで作品展を開催した。
これに先立つ2002年、アーウィットは、写真の芸術と分野への貢献が認められ、英国王立写真協会から100周年記念メダルと名誉フェローシップを授与された。セーターを着たチワワと女性の足の大きさを対比させた街頭写真(1946年)ノースカロライナ州の噴水(1950年)、窓からの光に照らされたベッドの上の子供を見つめる、アーウィットの妻の写真(1953年)カリフォルニア州で車のサイドミラー越しに撮影されたカップルの写真(1956年)など、彼の代表的な写真はすべてアメリカで撮影されたものだ。写真だけでなく、1970年代から映画にも時間とエネルギーを費やしてきた。
テレビのコマーシャルフィルム、ドキュメンタリー、そして長編映画を制作した。例えば『アフガニスタンのヘラートのガラス職人』(1977年)『赤、白、そして青い草』(1973年)『美しさは痛みを伴わない』(1971年)『アーサー・ペン:映画監督』(1970年)などである。これ以外にも『ゲット・ヤー・ヤ・ヤズ・アウト』(2009年)では追加撮影を、『ボブ・ディラン:ノー・ディレクション・ホーム』(2005年)ではスチール撮影を、1970年代の『ギミー・シェルター』ではカメラオペレーターを務めた。
2011年には、ニューヨーク・ドキュメンタリー映画祭の「エリオット・アーウィットの夕べ」で、彼の作品の数々が上映された。また、ダグラス・スローン監督のドキュメンタリー映画『エリオット・アーウィット:私は犬に向かって吠える』にも出演している。エリオット・アーウィットは、世界的に有名な写真家であり、商業写真の分野で成功を収め、写真に多大な貢献をしてきた。皮肉や洒落、ユーモアを作品に取り入れることで知られているが、一方で、冷静で感情的な写真も制作している。その作品は、何の苦労もなく作られているように見えるが、技術や洞察力、タイミングには細心の注意が払われている。
Meet our Artists: Elliott Erwitt (born 1928) | Holden Luntz Gallery | Palm Beach, Florida
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