2020年12月11日

地獄に墜落 GoTo Hell の恐怖

281_Anti nuke

やや旧聞に属するが、毎日新聞電子版が5月23日 "大阪モデルの基準一部変更 休業再要請指標 本来「黄信号」も条件緩和" という記事を掲載した。これに対し京大 IPS 細胞研究所所長の山中伸弥教授が自らのウェブサイト「新型コロナウイルス情報発信」で次のような苦言を呈したことが印象に残っている。

大阪府がいわゆる大阪モデルの基準を、結果を見てから黄色にならないように変更するというのです。元々の基準では、感染経路不明者の一週間の合計が、前週との比で1を超える、すなわち前の週より多くなると黄色信号にするとされていました。これが23日現在で0.91となっており、24日に仮に新規感染が0でも1を超えてしまうので、この基準を除外するというのです。結果を見てから基準を決める。科学でこれをすると信頼性が揺らぎます。この報道が本当であれば、大阪府の対策が、科学から政治に移ったことを意味します。 大阪府民として非常に心配です。人は権力や上司に忖度するかもしれませんが、ウイルスは遠慮ありません。

英国の総合学術雑誌「ネイチャー」10月5日付け電子版が「トランプが科学に与えたインパクトのタイムライン4年間」を掲載したが、同じような杞憂を示していた。トランプ大統領は、コロナウイルスは「軽度」で「インフルエンザのようなもの」だから心配するなと発言。にも関わらず自らが罹患、等中度から重度の症例と一致する症状を経験したが、実験的な治療を受けた。しかし一般市民への対策は怠り、悲惨な状況を招いている。科学を理解できず、無視した為政者が多くの犠牲者を生んでいる典型である。新型コロナウィルス感染症患者が激増しているが、菅義偉首相は「GoToキャンペーンのせいじゃない」と言い出したが、小池百合子都知事は「GoToトラベルというのは国のキャンペーン」と逃げまわるお粗末。

Covid19 Tokyo
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つまり「GoTo トラベルが感染拡大の主要な原因であるとのエビデンスは、現在のところ存在しない」と主張し、GoTo トラベルの期限の延長を表明した。どうやら「延べ4,000万泊超の利用に対して感染者が11月26日時点で202人にとどまっている」という報告を根拠にしたものらしい。観光庁などによると、事業を利用した感染者数は、宿泊施設などに対し、保健所や利用者本人から連絡があった数字を積み上げて集計している。宿泊から日数がたって感染が確認される場合などは、保健所から宿泊施設に必ず連絡があるわけではないという。言い換えれば「GoTo トラベルが感染拡大の主要な原因でないとのエビデンスはない」ということになるのではないだろうか。12月8日付けTBSニュース電子版は「GoTo トラベルを利用している人は、新型コロナへの感染リスクが高いとする調査結果を、東京大学などの研究チームが発表した」と報じている。科学を無視した政治家たちが国民の命を軽視して GoTo Hell つまり地獄に墜落させようとしている。

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