米大統領選は、開票作業が続いていた東部ペンシルベニア州で民主党のジョー・バイデン候補(77)が勝利し、獲得選挙人が当選に必要な過半数270を超えた。再選を目指す共和党のドナルド・トランプ大統領(74)は、複数の州で開票を巡る訴えを起こすなど、徹底抗戦の構えを見せており、当選者確定には時間がかかる可能性がありそうだ。当選が確定すれば、選挙人による正式投票を経て、バイデンは来年1月20日、第46代米大統領に就任する。これに伴いカマラ・ハリス上院議員(56)も副大統領に就任することになった。世界で最も高いガラスの天井の一つを突き破り、米史上初の女性副大統領に選出されるという歴史を作り、ドナルド・トランプ大統領の荒れ狂った支配を終わらせることに寄与することになった。米国東部時間の11月7日午後8時半過ぎ、ハリスは次のようなツイートをした。このパンデミックに打ち勝つために、経済を再建するために、私たちの司法制度と社会における体系的な人種差別を根絶するために、気候危機と闘うために、私たちの国の魂を癒すためにと決意を述べている。
Now the real work begins.
— Kamala Harris (@KamalaHarris) November 8, 2020
To beat this pandemic.
To rebuild our economy.
To root out systemic racism in our justice system and society.
To combat the climate crisis.
To heal the soul of our nation.
The road ahead won't be easy. But America is ready. And so are @JoeBiden and I.
ハリスは1964年10月20日、カリフォルニア州オークランドに生まれた。2016年に民主党員として米上院議員に選出され、翌年からカリフォルニア州を代表して1期目を務めた米国の政治家。米国の上院議員を務めた初のインド系米国人であり、2人目のアフリカ系米国人女性でもある。ジャマイカ人だった父親は、スタンフォード大学で教鞭をとり、インドの外交官の娘だった母親はがん研究者だった。ハワード大学で政治学と経済学を学んだ後、ヘイスティングス大学で法学士号を取得した。その後、オークランドで副地方検事(1990-98年)を務め、ギャングの暴力、薬物売買、性的虐待などの事件を起訴し、そのタフさに定評があった。2004年に地方検事に就任、2010年にはカリフォルニア州の司法長官に1%以下の僅差で当選した。翌年の就任後は政治的独立性を発揮し、例えばバラク・オバマ大統領の政権から、住宅ローン貸し手に対する不公正な行為を理由とした、全国的な訴訟を解決するよう圧力をかけられたことを拒否した。その代わりに、カリフォルニア州の訴訟に力を入れ、2012年には、当初提示された額の5倍もの高額な判決を勝ち取った。
結婚を男女間に限定し同性婚を禁ずる規定を盛り込んだ州憲法の修正案「プロポジション8」(2008年)の弁護を拒否したことで、2013年にこの修正案が覆されることになる。カリフォルニアを拠点とする作家、ジョーン・O'C・ハミルトンとの共著 "Smart on Crime"(2009年)は、犯罪の再犯問題に対処するためのモデルと考えられていた。2017年1月の就任後、ハリスは情報特別委員会と司法委員会の両方の委員を務めるようになる。彼女は公聴会中に証人に質問する検察スタイルで知られるようになり、共和党の上院議員からの批判と時折の妨害を受けた。2017年6月、彼女は2016年の大統領選挙へのロシアの干渉疑惑について、情報委員会の前で証言していた、ジェフ・セッションズ司法長官(73)への質問で特に注目を集める。彼女は以前、彼に辞任を求めていたのである。ハリスの回顧録 "The Truths We Hold: An American Journey" が2019年1月に出版された。そして2020年11月、黒人女性として初めて米国の副大統領になることが決まった。以上ハリスの履歴については、下記リンク先の論文を参照、抄訳しながら書いてみた次第である。
Kamala Devi Harris: Biography & Facts (Britannica) Written by Gregory Lewis McNamee
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