2020年7月8日

破壊されたクリストファー・コロンブス像

サン・サルバドル島に上陸したコロンブス(1492年)ディオスコロ・プエブラ画(プラド美術館蔵)

台座だけが残った
日刊紙ボルティモア・サン電子版によると、7月4日夜、メリーランド州ボルティモアのリトルイタリー近くにあったクリストファー・コロンブス(1451–1506)の像が、大声で叫ぶ抗議者に引きずり降ろされ、インナー・ハーバーまで引きずられて投げ込込まれた。コロンブスといえば米国では「新大陸を発見した英雄」として長い間歴史の教科書に記述されてきた。しかし彼は先住民を殺戮者であり、しかも奴隷商人でもあった。コロンブスは「発見された新大陸」の先住民からすると「迫害された人物」であって、偉人ではない。その観点から、近年、その評価が問われるようになった。今年になって火をつけたのが、アフリカ系米国人の人種差別の撤廃を訴える Black Lives Matter 抗議運動運動である。抗議活動が始まって以来、南部連合軍の兵士の記念碑、ジョージ・ワシントン、エイブラハム・リンカーン、ユリシーズ・グラントなど、他の歴史上の人物も標的にされている。ドナルド・トランプ米大統領は記念像撤去の連鎖を非難、7月3日、独立記念日の式典で「我々の国は歴史を消し去り、英雄を冒涜する無慈悲な運動に直面している」と演説した。破壊行為が行き過ぎると、大統領選でトランプ陣営を有利にすると危惧する向きもある。

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