2019年4月22日

京都平野神社植物誌

コデマリ(Spiraea cantoniensi)京都市北区平野宮本町

ツツジ(Rhododendron L.
初夏を彷彿とさせる陽気に誘われて、近くの平野神社に出かけた。普段の外出時はコンパクトカメラのみだが、思うところがあり、接写用レンズを付けた一眼レフを携行した。現住所に引っ越したのは十数年前だった。その前は上京区千本通一条に住んでいたのだが、近い割に寄ることは少なかった。京都市内では最も早く咲く枝垂れ桜「魁(さきがけ)桜」を撮影することが稀にあった。また大晦日から元日にかけ、北野天満宮に参詣したついでに、この神社へ初詣の梯子をするのが常だった。社殿の南側の外苑が桜の名所だけど、シーズン中に建てられる花見茶屋の雰囲気がどうしても馴染めなかった。それは今でも変わらない。看板その他の派手な色彩が折角の桜の風情を明らかに殺してしまうからだ。酒宴に耽る人々にはお似合いかもしれないが、とてもじゃないけど静かに鑑賞できない。このことをお花見シーズンが始まる前に書こうと思ったが、なんとなく営業妨害じみてる気がして遠慮してしまった。その代わりとでもいうのだろか、東側の桜苑は鉄柵に囲まれ、桜などの植物が保護されている。今年からお花見シーズンに限って有料となった。

ヤマブキ(Kerria japonica
社寺の庭などに対する拝観料については様々な意見がある。しかしこの桜苑に関しては、樹木の養育のためベターな措置で、有料もやむなしである。引っ越しして以来、私はこの桜苑に寄ることが慣わしになった。敢えて通うという訳ではなく、お気に入りとなったパン屋で買い物をした帰りとかではあるが。そしてタンポポに始まり、桜以外の折々の草花に次第に惹かれるようになり、気まぐれにシャッターを押すことになった。例えば平安神宮の神苑に見られるような整然はここにない。野草であったり、園芸種であったりするのだが、雑然を装った四季のミニパノラマは誰の演出であろうか。市が運営している「京都観光Navi」に花だよりのコーナーがあるが、平野神社の情報が載るのは、おそらく桜だけではないだろうか。それはともかく、今日はタンポポ、ヤマブキ、シャガ、そして開花したツツジ、新緑のコデマリの蕾などにレンズを向けた。できれば引き続き、気まぐれながら折に触れ、平野神社の植物誌をお届けしたいと思っている。

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