2017年8月7日

シンディ・シャーマンの仰天セルフィー

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Cindy Sherman (born 1954)
シンディ・シャーマンは写真家と紹介されることがあるが、正しくは写真を使ったアーティスト、写真芸術家と呼ぶべきだろう。彼女の作品を観たのは1996年夏、滋賀県立近代美術館での回顧展だった。巨大なカラー写真に圧倒されたことを憶えている。70年代後半、良く知られた映画のワンシーンを自ら演じた「アンタイトルド・フィルム・スティル」でデビュー、現代美術を語る上では欠かせない作家となった。92年以降は性の問題を手掛けた「セックス・ピクチャー」シリーズを展開し、常に時代の最前線で活躍している。その彼女がインスタグラムのアカウントを公表、ネット上に作品を展示しているというニュースが入ったので、早速アクセスしてみた。本人であることを示す水色のチェックマークが付いていないが、公式アカウントであることはほぼ間違いないようだ。夥しい数の作品が流れてきたが、上掲のコマが私には印象的である。酸素ボンベからの管が写っているが、彼女は呼吸器障害を患っているのだろうか。この点に関しては資料が見当たらず不明だが、病室のベッドを写したコマもあるので、何らかの体験による「変装」なのかもしれない。インスタグラムをはじめたのは5月中旬とのことだが、初期の作品に「セルフィー! ノーフィルター、ははは」というキャプションが付いているという。これは彼女一流のジョークだろう。セルフィー(自写像)はスマートフォンの落とし子だが、それを芸術の高みまで押し上げたセンスに脱帽する。是非フォローすることを勧めたい。

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