2017年8月19日

トランプ大統領の人権感覚に呆れる米国社会

David Plunkert's "Blowhard" ©2017 New Yorker

イラストは「ニューヨーカー誌」8月28日号の表紙、作者はデヴィッド・プランカート氏で "Blowhard" と題されている。直訳すれば「風が激しく吹く」なのだが、おしゃべりな自慢屋、ほら吹きという皮肉が込められている。トランプ大統領が息を吹きかけているヨットの帆は、米国の秘密結社、白人至上主義団体であるクー・クラックス・クラン(KKK)の三角白頭巾を模ったものである。バージニア州シャーロッツビルで白人至上主義者が集会を開き、それに抗議する人たちに車が突っ込んで女性1人が死亡した事件が起きた。これに対しトランプ大統領が、どちらの側にも「非常に良い人たち」がおり「双方に非がある」と主張したことに対し、全米で激しい抗議の声が渦巻いている。8月17日付け「ニューズウィーク誌」日本語版によると、白人至上主義を擁護する発言をきっかけに、民主党議員が副大統領への権限移譲による「合法的クーデター」を提案したという。味方であるはずの共和党の議員の間でも批判の声が高まり、大統領は窮地に追い込まれている。一連の報道に接すると、やはり腐っても鯛、アメリカの民主主義が健在であることを痛感する。

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