アメリカの第47代大統領に変えり咲いたドナルド・トランプがバイデン前政権が進めていた政策を覆す大統領令に矢継ぎ早に次々と署名した。雇用・労働問題に関する内容としては「多様性・平等性・包摂性」(DEI)推進方針の廃止、AI規則の撤回、不法移民対の強化、アメリカ国際開発局(USAID)の大規模な人員削減などがある。また、連邦政府職員のリモートワークの終了なども命じている。いまさらながら大統領権限の大きさに驚きを禁じ得ない。政党とは「政党の名を冠した人物を公職に選出することで、政権の掌握を狙う組織」と定義できる。したがって、政党は国民が政府の行動に関する決定を実行できる手段を提供する。さらに選択の自由、権力の監視、政府が約束を確実に実行できるように国民に情報を提供するオプションなど、社会内で多くの機会が利用できる。政党は通常、二大政党制または複数政党制で設立されるが。アメリカは二大政党制であるため、いくつかの欠点があることが否めない。そこで、二大政党制の欠点を探索し、それらに焦点を当て、最終的に強化したいと考えているところだ。アメリカでは、民主党と共和党の間の緊張が常に高まっているように見える。これは、国をふたつの敵対する側に分割することにつながることになる。現在のアメリカを観察すると、二大政党制がどのように機能していないかがわかる。共和党と民主党は重要なトピックで決して合意できないようで、そのため問題解決に関する論理的な対応を生み出すのを妨げているのである。たとえば、昨今は学校での銃乱射事件が頻繁に発生たようだが、両者はこの問題を解決する方法について合理的な合意に達することができない。
銃規制を強化する必要があるのであるが、銃と弾丸については消費者製品安全委員会の管轄外と定められているため、本物の銃によって事故が発生したとしても銃製造会社に賠償責任は発生しないのである。さらに、2つの主要政党しかないため、投票に関して個人が選択できるオプションが制限されてしまう。多くの人々は、より少ない人数から選択できるという単純さから、これを肯定的に捉えている。しかし、同様の視点を見つけられない人にとっては、ふたつの政党は非常に制限的になる可能性がある。政治はどこへ行っても常に腐敗と結びついている。アメリカ国内を含め、世界中で多くの縁故主義的な行為が行われている。二大政党制では党内部の人間に政府の契約を割り当てるなどの行為が行われる。また資金が意思決定に大きな役割を果たすことも考慮する必要がある。寄付者がキャンペーンに多額の資金を投入し、その候補者が選挙に勝った場合、寄付者のビジョンが具体化されることは容易に想像できる。これを念頭にギャラップは過去 10 年間にわたり、国民に、この国の政府全体に腐敗が蔓延していると思うかどうかを尋ねる調査を実施してきた。統計的には、腐敗の割合が65%を下回ったことはないという。この国の半数以上の人々が、政府全体に腐敗が蔓延していると考えている。二大政党制はこれらの結果に何らかの要因があるのだろうか。二大政党制は確かに重要な役割を果たしていると考えているのだが。下記リンク先は政治的および文化的なニュース、意見、分析を扱っているアメリカの隔週刊の雑誌「ザ・ネイション」の記事「アメリカの二大政党制の失敗」である。
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