2025年2月5日

テレビ局は方向転換して生き残ることができるのか?

Death of TV Gif

居間兼食事室にテレビが置いてある。食事時に電源が入っていると、チラリと見ることはあっても、熱心に視聴するわけではない。ニュースを娯楽化した、コメンテーターが時にいい加減な解説をする情報バラエティ番組が鬱陶しい。それに広告は五月蠅いことこの上ない。テレビ離れは若年層に限らず、広い年齢層に広がりつつあると思われる。テレビの衰退が指摘されてから久しいが、その理由として以下のような要因があると考えている。

1. デジタルメディアの台頭
YouTube、Netflix、Hulu などのストリーミングサービスが登場し、視聴者が好きな時間に好きなコンテンツを視聴できるようになった。Facebook、Twitter、Instagram などのプラットフォームが情報源として利用されるようになり、テレビのニュースや情報番組の需要が減少した。
2. 視聴習慣の変化
録画やストリーミングサービスにより、リアルタイムでのテレビ視聴が減少した。若い世代はスマートフォンやタブレットで動画を視聴する傾向が強く、テレビを日常的に見る習慣が薄れている。
3. 広告収入の減少
広告主がテレビからインターネット広告に予算をシフトし、テレビ局の収益が減少した。録画やストリーミングサービスでの広告スキップ機能が普及し、テレビ広告の効果が低下した。
4. コンテンツの多様化
インターネットでは特定の趣味や興味に特化したコンテンツが提供され、テレビのマス向けコンテンツでは対応しきれなくなった。YouTube や TikTok などで個人が制作したコンテンツが人気を集め、テレビのプロ制作コンテンツとの競争が激化した。
5. 技術の進化
テレビ自体がインターネットに接続できるようになり、従来の放送視聴からオンラインコンテンツ視聴へとシフトした。スマートフォンやタブレットが普及し、外出先でも手軽に動画を視聴できるようになった。
6. 視聴者の多様化
ケーブルテレビや衛星放送の普及により、視聴者の選択肢が増え、特定の番組への集中度が低下した。海外のドラマや映画が簡単に視聴できるようになり、国内のテレビ番組との競争が激化した。
7. 社会環境の変化
人々の生活スタイルが多様化し、テレビを視聴する時間が減少した。コロナ禍の影響で 在宅時間が増えた一方で、テレビよりもオンラインコンテンツを利用する人が増加した。これらの要因が複合的に作用し、テレビの衰退が進んでいる。ただし、テレビは依然として重要なメディアであり、特に高齢者層や特定のイベント(スポーツ中継など)では強い影響力を持っている。
視聴率

現在の視聴率は35から40%だが、NHK財団が運営するステラnetは、2030年頃には10%代に落ちると予想している。ところで未だに報道が続くタレント中居某のスキャンダル問題を思い出した。かなりの数の企業がフジテレビへの広告を差し替えたそうだが、広告なしでも売り上げに影響がないと分かれば、広告出稿がますます減少するかもしれない。私の想像に過ぎないが、万が一そうなったらテレビにとって存亡の危機になる可能性がある。新聞、雑誌といった紙媒体の衰退が他人事ではなくなるのである。下記リンク先は英国のガーディアン紙の記事「伝統的なテレビは死につつある:ネットワークはピボット(方向転換)して生き残れるか?」です。

The Guardian  Traditional TV is dying’: can networks pivot and survive? by Mark Sweney | The Guadian

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