イスラエルが10月7日、パレスチナの過激派組織、ハマスによる前代未聞のテロ攻撃に対して報復空爆を開始してから、ガザ地区は1週間以上激しい砲撃の中心地となっている。イスラエルとエジプトに挟まれ、地中海に隣接する狭い土地であるこの飛び地には、およそ230万人のパレスチナ人が住んでおり、地球上で最も人口密度の高い場所のひとつと言われている。365平方キロメートルは鹿児島県の種子島の広さとほぼ同じ面積である。ガザ地区に住む人々の大半は若く、人口の65%近くが24歳以下である。2007年以来、イスラエルはハマスの攻撃からガザ地区を守るために必要だとして、空、陸、海を封鎖している。ガザ地区はコンクリートの壁と有刺鉄線のフェンスに囲まれている。イスラエルの人権団体 "B'Tselem"(ベツェレム)によれば、パレスチナ人は「緊急で生命を脅かす病状」などの極めてまれなケースを除き、領土への出入りを禁じられている。イスラエル人入植者には同じ制限はない。人権団体はここを「世界最大の野外刑務所」と表現している。個人の移動が厳しく制限されているため、ガザ地区の経済は機能不全に陥っている。ガザ地区の失業率は40%を超え、国連によれば、住民の63%が食料不安に陥っており、手頃な価格で栄養価の高い食料を確実に手に入れることができない。
さらに、ガザ住民の約80%が何らかの国際援助に依存している。人道的状況をさらに悪化させているのは、10月7日のハマスのテロ攻撃を受けてイスラエルがガザ地区の全面包囲を命じ、ガザ地区が主にイスラエルに依存している食料、水、電力の供給を遮断したことである。UNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)はガザ地区では真水が枯渇していると警告、唯一の発電所が燃料切れとなった。WHO(世界保健機関)はガザ地区の保健システムは「限界点」にあると警告し、病院には毎日数時間しか電気が供給されていないと強調した。米国のニュース専門放送局 CNBC によるとヒューマン・ライツ・ウォッチのディレクターであるオマール・シャキールは「ガザ地区の人道的状況は、16年間にわたるイスラエルの圧殺的な閉鎖の後、すでにかなり悲惨なものになっていた」と語ったという。ガザ地区はパレスチナ自治区に指定されているふたつの地域のひとつで、もうひとつはヨルダン川西岸地区である。ガザ・シティ、ノース・ガザ、ラファ、デイル・エル・バラ、カーン・ユーニスの5つの行政区に分かれている。1947年、新たに結成された国連は、その当時、パレスチナと呼ばれていた土地をアラブ国家とユダヤ人国家に分割する「パレスチナ分割計画」を発表した。
しかしこれは、現地のパレスチナ・アラブ住民や周辺のアラブ諸国の意に反するものだった。1948年のイスラエル建国とそれに続くアラブ・イスラエル戦争後、イスラエルはパレスチナ・アラブから土地を奪い、最終的に全領土の77%を手に入れた。パレスチナ・アラブ系住民の半数以上が、ガザ地区、ヨルダン川西岸、近隣諸国に追放されるか、難民として逃亡した。ガザ地区は1948年から1967年までエジプトの支配下にあった。イスラエルはその後、1967年の6日間戦争でアラブの隣国エジプト、ヨルダン、シリアに勝利し、ガザ地区とヨルダン川西岸地区を支配下に置き、占領した。国連はイスラエルをパレスチナ自治区の占領国家に分類している。そして2006年、ガザの選挙でハマスがライバルのファタハ党に勝利した。以来、ハマスがガザ地区を支配している。その後、選挙は行われておらず、ハマスが政治的支配を維持している。米国をはじめ多くの国からテロ組織に指定されているハマスは、歴史的パレスチナに独立したイスラム国家を樹立することを目的としている。イスラエルを承認しておらず、イスラエルに対してガザ封鎖の中止とパレスチナ地域の占領の停止を要求している。
What was Israel before 1948, and what was the Balfour Declaration? | BBC News
0 件のコメント:
コメントを投稿