2023年1月29日

切手になったアフリカ系アメリカ人作家アーネスト・J・ゲインズ

Ernest J. Gaines
Stamp of African-American author Ernest J. Gaines

アメリカ合衆国郵便公社(USPS)が1月23日、作家のアーネスト・J・ゲインズ(1933-2019)を称える切手を発行した。ゲインズはアフリカ系アメリカ人の知られざる物語を探求した小説で知られている。家族が5世代にわたって旧奴隷居住区に住んでいたルイジアナ州ニューローズ郊外のオスカーという町にあるリバーレイク・プランテーションで生まれた。1948年にカリフォルニアに移住したが、その後数十年にわたり、彼の小説には、若き日のルイジアナの田舎町との深く断ち切れないつながりが反映されている。徴兵で陸軍に2年間従軍した後、大学を卒業し、1958年に権威ある奨学金を得てスタンフォード大学で創作を学んだ。1964年に処女作 "Catherine Carmier"(キャサリン・カーミア)を発表したが、1971年に "Miss Jane Pittman" で名声を上げ、広く賞賛され、ピューリッツァー賞にノミネートされた。この小説は奴隷制度から公民権時代にわたる110歳のアフリカ系アメリカ人の主人公の回顧録である。1981年、ルイジアナ大学ラファイエット校(当時はサウスウェスタンルイジアナ大学)で創作を教え、作家の創作活動を支援するシステム、ライター・イン・レジデンスとなる。

Ernest J. Gaines Stamp
Forever® stamp in panes of 20

1983年に発表した小説 "A Gathering of Old Men"(老人たちの集い)は、長年の偏見と暴力に直面するアフリカ系アメリカ人の男たちが、自分たちの人間性と誇りを主張する物語である。1993年、ゲインズは最も高い評価を受けている小説 "A Lesson Before Dying"(死ぬ前の教訓)を出版した。この小説は、大学で教育を受けたアフリカ系アメリカ人の教師が、殺人罪で死刑執行を待つ若い農夫に教育とインスピレーションを与えるという内容である。アフリカ系アメリカ人の大学教師が、殺人罪で死刑執行を待つ若い農夫に教育やインスピレーションを与えるという内容で、刑務所での困難な面会を経て、2人は絆を深め、自分たちの尊厳と自尊心を否定する者たちに抵抗する必要性を示していきます。全米図書批評家協会賞受賞に加え、ゲインズはマッカーサー財団の「ジーニアス」フェローシップを授与された。2013年、ゲインズはバラク・オバマ大統領から国家芸術勲章を受章し、これまで受けた中で最大の栄誉と称された。郵便料金が値上げされても使えるフォーエバー切手として発行された。この切手は現行のファーストクラスメール(1オンス)の価格と同額の63セントである。

USSP The 46th stamp in the Black Heritage series honors author Ernest J. Gaines | USPS

2023年1月27日

ヘイトスピーチが跋扈するツイッターの前途多難

Major Event Cartoon

ツイッターを12022年10月末に買収した米起業家イーロン・マスクが同年11月19日、凍結されていたドナルド・トランプ前米大統領のアカウントを復活した。前エントリ―「ツイートを再開するドナルド・トランプ前大統領」で解説したように、未だにツイートしていないのは、自身のソーシャルメディアプラットフォーム Truth Social(トゥルース・ソーシャル)との独占契約が6月にならないと切れないからだ。マスクは赤字解消のため多数の従業員を解雇した。収益を図るためサブスクリプション(定期購読継続購入)Twitter Blue の受け付けを日本でも始めた。月額利用料は980円だが、iOS版は1,380円である。Twitter Blue の特典は以下の通り。

  • 登録時に電話番号認証を行い、承認されるとアカウントに青いチェックマークが付く。
  • 投稿後30分以内であれば5回まで内容の編集ができる。
  • 取り消し時間内(5秒~60秒)であれば投稿したツイートが公開される前に取り消すことができる。
  • ブックマークフォルダを整理することができる。
  • 最大60分、ファイルサイズ2GBまでの長尺動画(1080p)をアップロードできる。
  • 選択したコンテンツや機能を2~6つまでナビゲーションバーに表示させることができる。
  • 背景やスマホのツイッターアプリのアイコンデザインを変更することができる。
  • フォロー中のアカウントやフォロワーの間で多く共有されている投稿が自動で一覧化される。
  • 長いスレッドを読みやすいデザインに変換して表示することができる。

Twitter Blue 購入で際立つ特典は、アカウントに青いチェックマークが付くことだろう。旧来のチェックマークは著名人になりすますこと防ぐための印だったが、お金さえ払えば手に入れることができるようになった。言い換えればステータスとして青いマークは存在意義が薄れる可能性がある。登録時に電話番号認証を行う必要があるものの、新たななりすまし行為が横行するかもしれない。個人ユーザーにとって利用料が高いという意見があるようだが、企業にとって長尺動画投稿ができるだけでも、安価といえるだろう。元にイーロン・マスクは、自身が経営する電気自動車テスラの1時間余りの動画をアップロードしている。これはすでに何回か指摘したことだが、ドナルド・トランプ前大統領のアカウントの凍結を解除したことは問題があり過ぎると言える。大統領選における陰謀論を黙認することになるからだ。そしてまた、有害情報が跋扈する可能性が出てきた。マスクはツイッターの信頼・安全評議会を完全に解散させ、これまでツイッターのルール違反で禁止されていた数多くのアカウントを復活させるなど、ヘイトスピーチが野放しにされるのに理想的な状況を作り出しているのである。 マスクがツイッターの CEO に就任してから約3ヶ月の間に、同プラットフォームにおけるヘイトの増加を示唆する逸話的な報告(およびいくつかの研究)がある。多くの元ユーザーは、彼が就任して以来、プラットフォームを放棄した理由を憎悪と悪用の増加に求めているのである。

Hate speech
ヘイトスピーチを減らすことができたとイーロン・マスクはツイートした

当時、ヘイトスピーチの印象を「スパイク前のレベル」よりもよりも3分の1に減らすことに成功したという主張を説明するためのグラフをツイートしていた。しかし、彼はまた、このスパイクが少数のアカウントに関連しているだけであり、むしろ彼が買収してからコンテンツモデレーションの有効性が広く低下し、既存のルールブックを破り捨てることに着手したことを示唆したのである。つまり前述の通り、ヘイトスピーチが野放し状態になっているのが現実なのである。ツイッターは今や個人のツイート、すなわちサエズリを吐露するスペース以上の役割果しているソーシャルメディア、すなわち公共の言論プラットフォームであること忘れてはならない。行く末は不透明だが、一起業家に買い取られたことは不幸であったかもしれない。お下記リンク先は「イーロン・マスクのツイッターがドイツでホロコースト否定のヘイトスピーチ訴訟で大打撃」題した TechCrunch の興味深い記事である。できればこれも取り上げたいと思っている。

technology.png Elon Musk's Twitter hit with holocaust denial hate speech lawsuit in Germany | TechCrunch

2023年1月24日

ツイートを再開するドナルド・トランプ前大統領

Donald Trump
凍結されていたツイッターのドナルド・トランプ前大統領のアカウント ©2021 Bryce Durbin

イギリスの高級日刊紙インデペンデント紙デジタル版によると、ドナルド・トランプ前大統領は、自身のソーシャルメディアプラットフォーム Truth Social(トゥルース・ソーシャル)との独占契約が6月に切れた後、ツイッターに復帰するという。トランプは「あらゆるソーシャルメディア上のコミュニケーション」をライバルプラットフォームに投稿する前に6時間 Truth Social に投稿しなければならないという「ソーシャルメディア独占条項」の対象になっていることが、最近発覚した米国証券取引委員会(SEC)への提出書類で明らかになったという。Truth Social は、トランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループによって設立されたソーシャルメディア・プラットフォームである。当初は2021年11月に App Store で限定的に公開する予定であったが、実際にはワシントン誕生日にあたる2022年2月21日より事前登録者を対象に公開しサービスを開始した。ツイッターは2021年1月8日、トランプの支持者がワシントンDCの米国連邦議会議事堂を襲撃した2日後に、同氏にアカウント「永久凍結」を言い渡した。凍結前のトランプの最後のツイートは「お問い合わせいただいた皆様へ、1月20日の(ジョー・バイデン大統領)就任式には行きません」だった。

Last Tweet
ドナルド・トランプ前大統領の最終ツイート

ツイッターは、このツイートと、有権者に対して「どんな形であれ、軽蔑されたり不当に扱われたりしないよう」呼びかける別のツイートが、同社の「暴力の賛美」ポリシーに反していると判断したのである。「この2つのツイートは、国内で起きている幅広い出来事と、暴力を煽るなど大統領の発言がさまざまな聴衆に動員される可能性があるという文脈で読む必要があります」「我々の判断は2021年1月6日に行われた暴力行為を再現するよう他者を刺激する可能性が高く、また、そのための奨励として受け取られ理解されている複数の指標が存在するということです」とツイッターは当時の大統領の追放を説明するブログ記事で書いている。2022年10月にイーロン・マスクが440億ドルの取引でツイッターを買収した後、凍結令は覆された。このハイテク億万長者は、トランプのアカウントを復活させることを望むかどうかをユーザーに問う投票を行い、1500万人の回答者のうち51.8%が「イエス」に投票したのである。トランプは世論調査の直後、ツイッターに復帰する気はないと発言した。しかし現在8,770万のフォロワーを有している。大統領時代、トランプはツイッターを拡声器といて利用した。それを手放すとはやはり考えられない。

Newsweek  注目のキーワード:ニューズウィーク日本版『ドナルド・トランプ前大統領』に関する記事一覧

2023年1月20日

廃刊が迫る「週刊朝日」と穴吹史士君の思い出

創刊100年を迎えた週刊朝日
創刊100年を迎えた週刊朝日(2022年2月)

朝日新聞1月19日付けデジタル版によると、総合週刊誌「週刊朝日」は、5月最終週に発売する6月9日号で休刊、つまり廃刊になるという。同誌は1922年に創刊、昨年2月に創刊100年を迎えていた。1950年代には100万部以上の発行部数を記録、2008年に発行元が朝日新聞社から朝日新聞出版に移った。昨年12月の平均発行部数は約7万部だったという。私は1972年1月に朝日新聞神戸支局から朝日新聞出版局に異動し「週刊朝日」「アサヒグラフ」「朝日ジャーナル」などの雑誌の写真取材を始めるようになった。その「週刊朝日」のグラビアページ編集を担当していた穴吹史士君と一緒に仕事をしたのは、1981年、東アフリカのケニア取材旅行だった。企画は彼の友人だった共同通信の岡崎記者から持ち込まれたもので、JTB のツアーに同行するものだった。英国のエリザベス2世が王女の時代、父親のジョージ6世死去の報を受けた際に宿泊していた、アバーディア国立公園の樹上ホテル「ツリートップス」に泊まることができたのはラッキーだった。一行と別れた私は、山崎豊子の長編小説『沈まぬ太陽』のモデルといわれた小倉寛太郎氏率いる、サバンナクラブとタンザニアで合流した。その中にライオンなどの哺乳類に背を向け、ひたすら双眼鏡で鳥を観察し続ける人がいた。当時 NHK 文化センターに勤めていた松平康氏だった。母方の叔父が鳥類学の先駆者、蜂須賀正氏博士で、松平氏自身も大の鳥好きだったのである。この旅行の縁が「週刊朝日」の新しいアウトドア企画に繋がったのである。

穴吹史士君(右)と私
故・穴吹史士君(右)と私(ケニア1982年)

ご覧の通りふたりともフライフィッシング用のベストを付けているけど、アームチェアアングラーだった。余談ながら70年代初頭、石川文洋君とこのポケットが多いベストを着けて取材、次第に在京カメラマンの間で流行し、某写真用品会社が商品化した。今思えば、ブランドを立ち上げれば良かったかな?と思ったものである。ケニアから帰国後、穴吹君の提案でアウトドアのページ「WESN(ウェズン)」が創設された。前年に創刊され好評だった小学館の月刊誌「BE-PAL」を意識したものだった。「一般誌でもネイチャーを取り上げないと」というのが彼の言い分だった。良いものは堂々と真似をしようという実利主義である。「WESN」は東西南北を意味したが「Week End Something Natural」というキャッチコピーを謳い、ステッカーを作ったことが懐かしい。連載1回目は松平康氏へのインタビュー、そして松平氏の母方の叔父で、日本最後の冒険家、蜂須賀正氏侯爵を取り上げた。蜂須賀博士はインド洋マスカリン諸島の絶滅鳥「ドド」についての英文の研究書で知られている。鳥類の研究は元侯爵の山階芳麿が創設した山階鳥類研究所に引き継がれた。創立者が皇族出身であることから皇室との縁が深く黒田清子さんも勤務している。と言う訳でやや脱線したが「WESN」は順調に滑り出した。

WESN
アウトドアページ「WESN」のステッカー

同じ年の秋に新潮社から写真週刊誌「FOCUS」が刊行されたが、これがヒットした後に彼は「アクショングラビア」を創設する。例によってやはり「真似しない手はない」という哲学であった。 私も参画したが、彼の方法論を密かに「浪花のアナキズム」と呼んだことを思い出す。洒脱な彼は、実は典型的な大阪人だったのである。昭和天皇が崩御した1989年1月、私は京都に舞い戻り、穴吹君とは仕事場を分かつことになってしまった。西暦2000年のミレニアム、朝日新聞日曜版で「名画日本史」の連載が開始された。その取材キャップが穴吹君だった。再び彼と仕事を共にする機会が巡ってきた。一緒に雑誌の取材をした仲だったが、今度は新聞が舞台だった。ただ日曜版なので、文字通り週刊誌的な仕事、このシリーズの写真撮影が楽しみになったのはいうまでもない。その年の夏、私と穴吹君は筆者の森本哲郎氏と共に丹後への取材旅行に出た。与謝蕪村の足跡を辿る旅だった。蕪村がしばしば訪れたという与謝郡加悦町の施薬寺前の小川に立った私は、草むした小さな橋を撮った。もしかしたら「夏河を越すうれしさよ手に草履」と詠まれた小川かもしれないかと思ったからだ。天橋立の旅館に辿りついた私たちは、お酒をしこたま呑んだ。美酒に酔いながら「大腸ガンの手術をしてね」と穴吹君は笑った。そして時が流れ、2010年、風の便りにガンが肝臓に転移し他界したことを知った。

PDF  創刊100周年『週刊朝日』特別企画「知の力連載」の表示とダウンロード(PDFファイル 2.49MB)

2023年1月15日

アメリカ先住民の子どもたちに白人文化を強要した寄宿学校

Carlisle Indian School

1879年、ペンシルバニアに開校したカーライルインディアン産業学校は、アメリカ先住民のための初の政府運営による寄宿学校だった。南北戦争の退役軍人リチャード・ヘンリー・プラット中佐(1840–1924)が、強制的な同化を目的とした居留地外での寄宿学校設立の陣頭指揮をとった。陸軍は、通常使用されていないカーライル兵舎を、寄宿学校として使用するためにインディアン事務局に移管した。生徒たちは髪を切り、名前を変え、先住民の言葉を話すのをやめ、キリスト教に改宗し、体罰や独居房などの厳しい規律に耐えることを余儀なくされたのである。この方法は、政府によって運営されるものもあれば、教会によって運営されるものもあり、最終的には他の何百ものアメリカ先住民の寄宿学校でも採用された。

Lakota Boys
寄宿学校で「適切な」服装と髪型にされたラコタ族の少年たち(1900年頃)

当時の多くの人々と同様、プラットは、アメリカ先住民が生き残るための唯一の希望は、先住民の文化や習慣をすべて捨て去り、アメリカの白人文化に完全に同化することだと信じていた。彼の口癖は、"Kill the Indian, Save the Man"(インディアンを殺せ、人間を救え)であった。しかし、この学校の最初の生徒募集は、部族を統制するためのものでもあった。陸軍省はプラットに、ダコタ準州に行き、オグララスー族とブルル族から最初の生徒を募集するように指示した。政府指導者は、部族指導者の子どもたちを人質にして、部族の善良な行動を確保しようとしたのである。この学校は、子どもたちが英語を学び、将来部族の利益を守ることができるようになる機会として、部族に紹介された。当初、多くの親や部族のリーダーは、子どもたちが学ぶ機会を受け入れる一方で、米国政府の取り組みに懐疑的な態度を崩さない者もいたのである。

Native American Kid  米国先住民寄宿学校のレガシーは生き続けるが克服することができる(英文)| ラコタ族のブログ

2023年1月12日

ツイッターの定額有料サービス「Twitter Blue」が日本でもスタート

Twitter Blue

ツイッターのサブスクリプション(定額有料サービス)「Twitter Blue」が日本でも2023年1月11日に始まった。ツイッターを2022年4月に買収したイーロン・マスクにとって「Twitter Blue」は収益化とプラットフォームのダイナミクスの一新を目指す戦略のひとつである。すでに報道されているように、購入するとアカウントに青いチェックマーク Blue Mark を追加したり「ツイートを編集」などの機能を利用したりすることができる。マークはこれまではなりすましを防ぐためのバッジで、それゆえ著名人のステータスという色合いが強かった。

Twitter Blue
「Twitter Blue」の特典

ツイッターのヘルプセンターの説明によると、青い認証チェックマークは、以下のふたつのいずれかを意味するという。すなわち

  • 対象のアカウントが新しい「Twitter Blue」のアクティブなサブスクリプションを保有しておりツイッターの資格基準を満たしていること
  • 対象のアカウントが、従来の認証基準(著名で信頼に値するアクティブなアカウントであること)に基づく認証を過去に受けていたこと

それがお金さえ払えば誰でもつけることができるようになった訳である。ヘルプセンターの説明によると、青いチェックマークは、以下の2つのいずれかを意味するという。日本での「Twitter Blue」は、iOSでの価格(月額)が1,380円、ウェブサイトでの価格(月額)が980円である。さまざまなメリットをツイッターは謳ってるが、有なった料で利用するかどうかはまさに個人が判断すべきことだろう。ただ従来の認証基準を満たして青いチェックマークをつけたユーザーと、有料でマークをつけたユーザーの見分けがつかない点に留意したい。後者が増えれば増えるほど、青いチェックマークの効力が減少、新たななりすましアカウントが跋扈するような気がするが、どうだろうか。イーロン・マスクの「改革」、特に凍結アカウントの復活などに私はむしろ疑問を抱いている。従ってこのまま無料で利用、あるいは場合によってはアカウント削除も視野に入れている。

Twitter  ツイッターのサブスクリプション(定額有料サービス)「Twitter Blue」について | ヘルプセンター

2023年1月7日

ツイッターの次に利用するソーシャルメディアは?

Social Media Japan

米ブルームバーグ通信によるとツイッターの利用者のメールアドレスなど、2億3,000万人分以上が流出した可能性があることが明らかになった。名前や電話番号など流出データが闇サイトで販売されたという。私のツイッターアカウントはフォロワー数も少ないし、狙われないと思ったが、念のためパスワードを変更した。流出した個人情報などのデータは米電気自動車大手テスラのイーロン・マスク CEO(最高経営責任者)によるツイッター買収前の21年時点のものとみられるが、同社はセキュリティー強化という課題を抱えることになりそうだ。後任の CEO も見つかっていないようだし、イーロン・マスクのツイッターが前途多難になってきた。気になるのが「ツイッターの有料化」という噂で、その可能性は捨てきれない。有料化した場合、別のソーシャルメディアに移行することを考えているユーザーも少なくないらしい。インターネットリサーチサービスを提供する「スマートアンサー」と、モバイル専門の調査機関である「MMD研究所」が、男女2,231名を対象に2022年12月9日~10日の期間で行った「2022年版:スマートフォン利用者実態調査第1弾」によると、有料化/終了した場合、次に利用すると思うサービスはインスタグラムが40.2%と一番多く、続いて31.8%のラインだった。

インスタグラムは「インスタ映え」という言葉が生まれていることからも分かる通り、写真や動画の投稿をメインとしているサービスである。私も利用しているが、写真が主役で、短い説明文をつけているだけである。テキストを疎かにしがちで、ツイッターやフェイスブックと比べると、ソーシャルメディアとしての機能が弱いような気がしないでもない。ところがである。上掲はニューヨーカー誌のインスタグラムだ、長文の説明がついている。ミニブログの様相を呈していて、ツイッターのように字数制限がない分、意を尽くしたまさにソーシャルと呼ぶに相応しいメディアとなっている。

Instagram  Twitter「有料化」なら Instagram と LINE に乗り換えるが多数!? | オトナライフ編集部

2023年1月3日

天安門広場で中国軍の戦車を止めた男の写真を撮ったスチュアート・フランクリン

Tank Man
Stuart Franklin (born 1956) "Tank Man" Tiananmen Square, Beijing, 1989

1989年6月5日、中国政府が北京の天安門広場でデモ参加者を激しく取り締まり始めた翌日、黒いパンツに白いシャツを着たひとりの男が、デモ参加者の鎮圧に向かう戦車の列に対して行動を起こした。この男性は、非暴力による抗議行動として、戦車の行進の前を冷静に歩き、先頭の戦車を停止させたのである。戦車が彼を囲んで移動しようとすると、男は何度も位置を変え、戦車の進行を妨げ続け、反対運動の象徴的なジェスチャーを生み出し、今日でもなお力強いイメージを保ち続けている。フォトジャーナリストや写真家の集団として有名なマグナムのメンバーである写真家、スチュアート・フランクリンは、北京のホテルのバルコニーからその場に居合わせ撮影した。翌日、彼のフィルムが中国からお茶パックに入れて密輸され、パリのマグナム社に届けられると、この「戦車男」の写真は世界中の新聞の一面を飾った。このシーンは他の3人の写真家も撮影しているが、フランクリンの写真が最も象徴的で『タイム』誌や『ライフ』誌に掲載され、世界報道賞を受賞している。

Contact shee

25年後、この象徴的なイメージが再び脚光を浴びた。フランクリンのコンタクトシートが、2014年、マンハッタンのミルクギャラリーで行われたマグナムのコンタクトシート展に出展されたからである。写真家や写真編集者が、コンピューターやデジタル写真に取って代わられる前に、画像を選択するために使用していたコンタクトシートは、情報の宝庫です。撮影やイベントのアウトテイクや舞台裏を写したもので、撮影の過程や撮影者の思いが伝わって来る。シートを拡大して見ると「戦車男」が戦場に入り、戦車の前に立ち、最後には他の人に掴まれてその場から移動しているのがわかる。また、スチュアートが危険を冒して急いでホテルの部屋に戻り、レンズを交換して近づいて撮影しているところも確認できる。下記リンク先のページは、天安門事件の歴史的出来事を目撃した経験と、それが彼にとって何を意味するかについて、アレクサ・キーフによるスチュアート・フランクリンへの、ナショナルジオグラフィック誌のインタビュー記事である。

National Geographic  Q&A: Stuart Franklin's View on Tiananmen Square, Beijing, 1989 | National Geographic

2023年1月1日

Happy New Year 2023

Happy New Year 2023
羽子板(京都市上京区馬喰町北野天満宮)

相互理解と連帯が深まることを祈ります。2023年が平和で幸せな年になりますように。