2022年4月9日

公安調査庁がウクライナのアゾフ大隊の記載を削除

アゾフ大隊の旗
アゾフ大隊の旗

公安調査庁は4月8日、ウェブサイト上の「国際テロリズム要覧2021」からウクライナの民族主義準軍事組織であるアゾフ大隊(現国家警護隊特命分遣隊アゾフ連隊)の記載を削除した。公安調査庁は「近時、一部において、公安調査庁がアゾフ連隊をネオナチ組織と認めている旨の事実と異なる情報が拡散されている状況が見受けられますが、このような誤った情報が拡散されていることは誠に遺憾」だと指摘している。同庁はその「誤情報」は「国際テロリズム要覧2021」の記載が根拠とされているようだが、そもそも「国際テロリズム要覧2021」は「内外の各種報道、研究機関等が公表する報告書等から収集した公開情報を取りまとめたものであって、公安調査庁の独自の評価を加えたものではなく、当該記載についても、公安調査庁がアゾフ大隊をネオナチ組織と認めたものでは」ないと説明した。その上で同庁は、事実と異なる情報が拡散されることを防ぐため、ウェブサイト上の「国際テロリズム要覧2021」から上記の記載を削除することとしたと発表した。

AzovBattalion
首都キーウで旗を振るアゾフ大隊の兵士たち © 2014 Genya Savilov /AFP

事実と異なる情報が拡散されている状況と説明しているが、裏を返せば公安調査庁が「国際テロリズム要覧2021」で、間違った情報を流していたということになる。内外の各種報道、研究機関等が公表する報告書等から収集した公開情報を取りまとめただけものであるなら、その出典元を明らかにすれば良いだけではないだろうか。公安調査庁がアゾフ大隊をネオナチ組織と認めたものではないと説明しているが、そんなことはないだろう。アゾフ大隊がネオナチス組織で、東ウクライナの分離派支配地域が攻撃を受けたというのが、ウラジーミル・プーチン大統領によるウクライナ侵攻の口実のひとつだった。ロシア批判の立場に立つ日本政府に配慮して削除した可能性があると思われる。私自身は記載された各機関がどのように報告しているかが興味深い。なお3月28日、国家警護隊特命分遣隊であるアゾフ大隊は、ロシアのプーチン大統領が広めているネオナチというプロパガンダを否定しつつ、現在のロシアのウクライナ侵略戦争において、実際には誰がナチスなのかを説明するメッセージを発表していた。またアゾフ大隊のデニス・プロコペンコ隊長は「隊員たちはロシア軍に包囲されているマリウポリを明け渡すつもりはなく、同市のために最後まで戦うつもりだ」と表明している。

法務省  国際テロリズム要覧2021 | 極右過激主義者の脅威の高まりと国際的なつながり | 公安調査庁

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