2021年6月6日

野球映画『プリティ・リーグ』は不朽の名作

A League of Their Own
コロンビア映画『プリティ・リーグ』原題 "A League of Their Own" 1992年

音楽はバックグランドで流せるが、やはり映像はそういう訳にはいかない。観てしまうと何もできなくなってしまう。というわけで自室にはテレビを置いてないが、居間の食卓に着くと、厭でもテレビの画面が目に飛び込んで来る。情報バラエティ番組では連日新型コロナウィルスの話題が流されている。ごく最近の話題ははオリンピックだが、強行は狂気の沙汰である。早くもオーストラリアの女子ソフトボールが来日した。オリンピックは反対だが、女子ソフトボールには興味がある。ソフトボールは野球から派生したスポーツであるが、さまざま面で野球とは違うところがあるようだ。まず名称通り、球が柔らかく大きい。投手は下手投げで投球距離が短い。ルールに差があるが、この辺りはこれを読んでるみなさんのほうが、ずっと詳しいかも知れない。ソフトボールの他に軟式野球がある。危険が少なく、日本では硬式野球よりはるかに競技人口が多いそうだ。ところが最近は硬式野球にも女性の進出が目覚ましいようだ。野球をテーマにした小説や映画は結構多い。

バッテリー
あさのあつこ (著) 佐藤真紀子 (イラスト) 角川文庫

小説で印象に残っているのは、リング・ラードナー『アリバイ・アイク』(新潮文庫)である。自分のプレーに対し何かにつけ弁解する野球選手の話であるが、この小説ゆえ、アメリカでは弁解や言い訳する人を「アリバイ・アイク」と呼ぶようになったという。そもそもアリバイという単語が、現場にいなかった証明という法律用語の他に、言い訳あるいは口実という意味があることを、この小説で知ったくらいである。日本の野球小説では、古い話だが1979年度下半期の直木賞候補作品で、映画にもなった阿久悠『瀬戸内少年野球団』が懐かしい。ベストセラーになった、あさのあつこ『バッテリー』(角川文庫)がマンガになり、映画化されたことは知っているが、いずれも私は未読状態である。マンガの世界では梶原一騎、川崎のぼるの『巨人の星』から始まり、水島新司『ドカベン』『あぶさん』あだち充『タッチ』などの名作は、知ってるだけでも結構ある。

Tom Hanks and Geena Davis
トム・ハンクスとジーナ・デイヴィス(コロンビア映画 1992年)

映画で印象に残っているのは、不朽の名作とも言える『プリティ・リーグ』原題 "A League of Their Own" が思い出される。1992年に制作されたペニー・マーシャル監督作品で、出演者にトム・ハンクス、マドンナの名があるが、主演はジーナ・デイヴィスである。時は1943年、男たちが戦場に駆り出され、プロ野球が存亡の危機に陥る。物語はオレゴン州の小さな町で姉妹(ジーナ・デイビスとロリー・ぺティ)を狡猾なスカウトが誘い、そしてイリノイ州ロックフォードの「ピーチズ」と選手契約するところから始まる。そして女性だけのプロ野球リーグが結成され、各地から選手を集める。彼女たちは当初世間の失笑を買うが、汗にまみれて必死に戦う真摯なプレーによって次第に認められて行く。実話に基づいているが、脚本、そして監督の采配によって見事なストーリーに仕上がっている。リーグは1954年に解散、最後は5チームだった。十数年後にが再会、お互いに当時を振り返るが、そのラストシーンに流れたマドンナの "This Used to be My Playground" が印象的だった。前エントリー「ベーブ・ルーを知ってるかい?」に続き、野球物語の連投、写真少年から音楽少年に転じて、今度は野球少年漂流記になってしまったようだ。

YouTube  Madonna - This Used To Be My Playground | Soundtrack to "A League of Their Own"

0 件のコメント: