2019年10月8日

鳥寄せ小道具でアウトドア気分

英国製釣り用バッグにぶら下げたオーデュボン協会のバードコール

全米オーデュボン協会
通販サイトでアメリカの鳥獣保護団体オーデュボン協会のバードコールを見つけ、懐かしかったので取り寄せた。全長約5cmの小道具で、木筒と金属をこすり合わせると、小鳥の鳴き声が出る。さっそく釣り用バッグにぶら下げてみた。1980年代初頭、私は『週刊朝日』のアウトドア欄のフォトエディターをしていた。どちらかというとインドア派の私だったが、シェラデザインのデイパックを街中で背負い、アウトドア派を気取っていた。今でこそ老若男女、デイバックを背にしているが、何しろ30年以上前の昔、当時としては珍しいファッションだったと思う。バードコールに革ひもをつけ、ペンダントにしていた。試しに鳴らしてみたことはあるが、実際に屋外で鳥寄せをした記憶はない。通販サイトには「アメリカでは100年以上も前から狩猟に使われていた」と説明されている。しかしこれは間違いで、100年以上前というのはヨーロッパの話である。

製作中のロジャー・エディ(1983年)
コネチカット・エクスプロアード誌によると、オーデュボン協会のバードコールは、1952年にコネチカット州のロジャー・エディが発明したという。彼は第二次世界大戦中にイタリアの第10山岳師団に従軍したが、そこで猟師たちが使っていたバードコールを、アメリカに持ち帰ってオーデュボン協会に持ち込んだ。協会は狩猟に使うことには興味を示さなかったが、野鳥観察の道具として採用したようだ。ところで通販サイトのカスタマーレビューに「近所の公園でキュッキュと鳴らしていたら、その音を聞きつけて中年の女性が寄ってきました」「部屋でこっそり鳴らしたら、旦那が嬉しそうにベランダに見に行った」などとあり、吹き出してしまった。私も似たようなもので、アウトドア気分を味わうだけになりそうだ。ここで蘊蓄。小鳥がチッチッチと囀(さえず)ることを英語で Tweet と言うが、これがソーシャルメディア Twitter の語源になった。だから Tweet は「つぶやき」ではなく「囀り」と訳すべきだろう。オーディオの世界では、高音用スピーカーを Tweeter(ツイーター)と呼ぶ。そして低音用は Woofer(ウーファー)だが、こちらは犬の唸り声に由来する。ネーミングの妙に感心する。

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