倒木で檜皮葺の屋根が崩落した平野神社拝殿(2018年9月4日)
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仮拝殿(京都市北区平野宮本町) |
北野天満宮の近くにある平野神社は、桜の名所として知られている。開花すると京都の花見が始まると言われている「魁桜」(さきかげざくら)は特に有名である。終戦までは官幣大社で、官幣中社だった天満宮より社格は上だった。10数年前に我が家は西陣から転居、平野神社が散歩コースになった。孫がまだ幼児のころ、一緒によく出かけた。ご法度の三輪車をしばしば乗り入れたけど、見て見ぬふりをしてくれたものである。そのお礼という訳でもないが、七五三詣りはこの神社だった。私は神道を信仰している訳ではない。仏教やキリスト教、イスラームと比べると、一番知識がない宗教と言えそうだ。それでも散歩で寄るたびに賽銭を投げ入れている。その平野神社の拝殿が昨年9月の台風21号によって倒壊した。江戸時代の初期、1650(慶安3)年に、後水尾天皇中宮で徳川家康の孫にあたる、東福門院によって建立された、文化的価値の高い建築物だった。再建には約1億3,000万円かかるそうだ。今年9月の段階で5,300万円弱の義援金が寄せられ、目標額の8,000万円に近付いている。境内には仮拝殿が建てられたが、あくまで仮の建物で、屋根は檜皮葺(ひわだぶき)ではなく、銅板葺である。当時の工法や建築様式を後世に残していくため、分解調査を元にし、復元を施しながら再建を行なうそうだ。檜皮葺の屋根は檜の希少性と技術の専門性、また、素材の採取や整形などの工事期間の長さから莫大な費用を必要とする。従って再建は3年後になるそうだ。道のりは遠い。
平野神社台風被害復興協力金のお願い(インターネット寄付サイト)
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