Lady Strachan and Lady Warwick making love in a park, ca. 1820.
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上善寺(京都市上京区南上善寺町) |
明日21日は 2019 年参院選の投票日。京都府選挙区で私が注目しているのは、LGBT(Lesbian・Gay・Bisexual・Transgender)すなわちレズビアンであることを公表している候補者である。同性愛の政治家といえば、すぐに頭に浮かぶのが、米大統領選に出馬表明をしているインディアナ州サウスベンドのピート・ブティジェッジ市長である。米民主党の代表候補になれば、LGBT の存在を認めないトランプ大統領と論戦が展開されると思われる。安倍晋三首相は同性婚を認める法案に難色を示しているし、仮に彼女が当選して国会議員になった場合、いかなる処遇を受けるか興味深い。なにしろ英国のガーディアン紙が、日本は先進国からなるG7の中で同性婚を認めない唯一の国であると指摘。自民党の杉田水脈議員が LGBT に対し「生産的がない」と差別発言した事例などを説明している。人生の多様性を認めようとしない、情けない安倍政権のお粗末である。
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Ladies of Llangollen |
上掲の「公園で愛し合うストラチャン卿夫人とウォリック伯爵夫人」と題した絵は英国のジェームズ・ギルレイ(1757-1815)が19世紀初頭に描いたモノクロの風刺画に、水彩絵の具で彩色した銅版画である。貴婦人のひとりが「彼は自分が女性のライバルを持っていると想像してないわ」と囁いている。遠く離れた茂みから覗いているのはふたりの夫たちである。航海服の紳士が「こんな厄介なことをやめさせるにはどうしたらいいだろう」と嘆くと、シルクハットの紳士が「彼女をウォリックから連れ出すことだ」と答えている。つまり移動してふたりを引き離したらどうかという提案だった。この一枚で英国でも歴史的には偏見があったと断言するのはいささか乱暴かも知れない。左は18世紀後半から19世紀前半にかけて、英国のウェールズ北東部、デンビーシャーの小さな町でで共に暮らしていた女性を描いた絵で Ladies of Llangollen(ランゴレンの貴婦人たち)と題されている。どちらもアングロ・アイリッシュの上級階級に属していた貴婦人たちである。エリナー・バトラー(1739-1825)とサラ・ポンソンビー(1755-1829)で、同時代人による激しい非難を受けた。レスビアンのパートナーだったという主張に因るのかも知れない。いずれにしても東西の歴史を含め、レズビアンを語ることは浅学の私にはやはり荷が重く、断片的な覚え書きを披露するだけに終わってしまったようだ。明日の開票結果を見守りたい。
追伸:京都府選挙区の開票の結果、現職の日本共産党の倉林明子氏が議席を死守。立憲民主党から出馬した、本稿紹介の LGBT 活動家の増原裕子氏は、大接戦になりましたが、惜しくも及びませんでした。(7月21日)
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