Shockproof Protective Cover for Huawei MediaPad T3 7.0 Tablet
バスや電車の中で気づくのは、スマートフォンを手にした人のほんどが、ケースに入れていることである。かつての携帯電話、いわゆるガラケー用のケースはなかったように記憶している。折り畳めば液晶画面が隠れるので、バッグに入れても傷まないし、第一、メーカーは落下テストをして強度対策を施していた。ところが iPhone は「ゴリラガラス」を採用した。強化ガラスだが、落とせば所詮割れる。だから保護フィルムが現れたのだろう。しかし、さらなるケースに至っては如何なものと感ずることがある。ご存知、アップル社、とりわけスティーブ・ジョブズは製品のデザインにこだわった。性能よりデザイン優先じゃないかとすら錯覚するくらいだ。透明のケースなら半ば理解できるが、革製のケースに至っては、その美しさを台無しにしている。もっともこれはユーザーの勝手であり、私が揶揄する筋合いのものではないのは無論だが。
サンフランシスコで2011年3月に開かれたアップルの製品発表会で、スティーブ・ジョブズは iPad 2 のデモンストレーションをしたが、冒頭で「今回はケースも iPad 2 と一緒にデザインしたんだ」と語ったという。どうせ人々がつけるなら、優れたデザインのケースを提供しようという思惑だったのだろう。引用した伝記によると、ジョブスはたまたま見つけた磁石についての論文をアップルのチーフ・デザイン・オフィサー、ジョニー・アイブに渡した。吸引力が円錐形に働く、望む場所にピンポイントで作用する磁石があるということだった。そして開発されたのが着脱式のカバーだった。実は我が家にも10インチの iPad があるが、外出先に携行しないのでケースはつけていない。最近導入したファーウェイ 7 インチタブレットに淡紅色のオリジナル衝撃吸収ケースを装着した。1,000 円弱の出費だったが、美しい色の服を着せたせいか、見映えも良くなったようだ。iPad の発売前から、ジョブズは、iPad2 についてどうすべきかを考えていた。(途中略)ほとんどの人が考えもしなかったアクセサリーに注目していた。ケースだ。多くの人が iPad をケースに入れ、その美しいラインを隠し、せっかくのスクリーンをスポイルしていた。もっと薄くすべきなのに、分厚くしまっていた。あらゆる面で魔法のような装置をありふれたカバーをかけてしまっていたのだ。(ウォルター・アイザクソン著/井口耕二訳『スティーブ・ジョブズII』講談社)
講談社(2011年11月)
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