メリー・ジョゼフ・ブロンデル『太陽またはイカロスの墜落』(部分)1819年
韓国の朴槿恵前大統領逮捕の報道に接し、脳裡に走ったのはギリシャ神話に登場するイカロスだった。蝋で固めた翼で飛翔、太陽に接近し過ぎて翼が溶けてなくなり墜落死した。人間の傲慢さを戒めた神話である。海外逃亡は考えられないし、逮捕するまでもなかったのではという意見も韓国にはあったようだが、証拠隠滅の恐れがあるので拘束されたようだ。韓国の聯合ニュース3月31日付け日本語版によると、拘置所の独房の広さは2坪に満たず、折りたたみ式マットレスと机を兼ねた座卓がある。1食わずか1440ウォン(140円)の食事をし、食器も自分で洗うそうだ。大統領官邸の青瓦台と比べ、まさに地獄に墜ちたような生活ではないだろうか。起訴後に収賄で有罪になれば懲役10年以上の重刑を言い渡される見通しだという。平家物語の一節に「驕れる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし」とある。傲慢になった者は必ず失脚するという喩えである。月満つれば則(すなわ)ち虧(か)く、満月は必ず欠ける。安倍晋三首相も肝に銘じておくべきだろう。
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