2017年2月10日

韓国で『君の名は。』がヒットした意味

アニメーション『君の名は。』の壁紙(アニメ壁紙ネットより

政府が長嶺安政駐韓大使と森本康敬釜山総領事を帰国させてから一か月になるが、未だに帰任させていないという異常事態が続いている。二階俊博自民党幹事長が「できるだけ早く戻したほうがいい」と発言、党内では足並みの乱れがあるものの、首相官邸は強硬姿勢を崩していない。産経新聞は「政府は慰安婦像の放置について、ソウルの日本大使館前の慰安婦像撤去に向けた努力を約束した一昨年の日韓合意に反すると批判。韓国側が撤去に動かない限り大使らは帰任させない方針で長期化も辞さない構えだ」と安倍政権の苛立ちを代弁している。一方、韓国側には少女像撤去の動きはない。崔順実による国政壟断(ろうだん)事件で国政が麻痺状態に陥っていることが足枷になっているようだが、日本政府の措置に対する反発もあるようだ。聯合ニュース2月7日付け日本語版によると、最大野党「共に民主党」の禹相虎院内代表は「もし一定期間まで(日本の)大使が復帰しない場合はわれわれの大使も帰国させよう」「安倍首相のこのような非外交的な態度に我慢してはならない。一か月も我慢したらたくさんだ」と指摘したという。ところで韓国では激しい反日教育が行われているとよく耳にする。中央日報1月24日付け日本語版によると、 新海誠監督のアニメーション『君の名は。』が韓国で公開されて18日目の1月22日、累積観客数305万人を突破、宮崎駿監督の『ハウルの動く城』(2004年)の観客数301万人を13年ぶりに更新したという。やや古いデータだが、日本政府観光局(JNTO)によると、2015年に来日した韓国人は前年比45.3%増の400万2095人。中国人の499万3689人に次ぐ2位だが、中国13億人、韓国5000万人の人口を比較すると、相対的にいかに多いかが分かる。国内に根強い「反日感情」をよそに、アニメーションや漫画、音楽などに代表される日本の文化が流入、日本に親しみを覚える若者が増えていることが背景にある。これらの統計数字を見ると、反日教育が必ずしも功を奏していないような気がする。熱狂的な韓流ブームは去ったが、K-POP に代表される韓国芸能も、依然人気が高い。韓国における反日感情、日本における嫌韓感情を、ゆるやかに覆しつつあるのは、インターネットじゃないかと私は思っている。

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