五劫思惟像 金戒光明寺(京都市左京区黒谷町)
墓地は石造美術の宝庫である。金戒光明寺、通称黒谷さんの文殊塔への石段を登り始めてすぐ、左側に大きな螺髪(頭髪)の石造阿弥陀如坐像が結跏趺坐している。これはアフロヘア石仏と呼ばれて人気があるようだ。正式には五劫思惟像という。無量寿経によると、阿弥陀は釈迦と同様、四十八願を達成するために五劫の間、考え抜かれたという。四十里の高さの岩山があり、天人が舞い降り、衣で岩を撫でる。これを百年ごとに繰り返すと岩が擦り、やがて消滅する。これが一劫で、その五倍が五劫で、その間に毛が伸びてこのような姿になったというのである。若い女性と年配の男性が、カメラ収めていた。石段をもう少し登った右側、法然上人御廟の前に二体の地蔵菩薩像がある。丸彫りの立派な石像だ。山内塔頭のひとつ、蓮池院熊谷堂は、出家した武将、熊谷直実が庵を結んだ場所だが、横に阿弥陀如来坐像が安置されている。青銅製の美しい露仏である。
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