2014年7月15日

金戒光明寺西雲院の王鞬南居士像

ハス  金戒光明寺西雲院(京都市左京区黒谷町)

石造王鞬南居士像
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本堂前に置いてある鉢植えのハスが開いていた。この地で法然が念仏を唱えていると、紫雲がたなびいて悟りを結んだのが、金戒光明寺の始まりだという。念仏堂を覗くと、法然が腰掛けたという伝説の「紫雲石」があった。境内西にある不動明王の横にちょっと風変わりな石像がある。右手に蓮華を持った像で、正面にかろうじて「杳山王鞬南居士(ようざんおうけんなんこじ)」と刻まれてるのが読める。居士と言うのは在家の仏教帰依者のことであるが、戒名の末尾につける尊称ともなった。さらに台座の下には「大明国福建道福清県六親法界等」と彫り、左側に「清誉浄心法師」と刻んである。王鞬南という人物について調べてみたが、ネット上では極めて乏しい。別の資料で分かったことだが、慶長元年(1596)医師として日本に帰化、元和年間にこの西雲院開である基宗厳法師を頼りに落髪、ここに住んだようだ。詩文や筆法に精通していたようだが、正保2年(1645)に没したことが分かっている。従ってこの像が作られたのは江戸時代初期ということになるが、長い年月にわたり風雪に晒されてきたにも関わらず、陰影が明瞭で失われていない。

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