この地図はかなり有名らしいが、皆さんご存じだろうか。ピークォド号はハーマン・メルヴィルの小説『白鯨』に登場する捕鯨船で、アメリカ合衆国の先住民、ピークォド族に由来する。モービー・ディックは鯨の名だが、これが米国版の書名になっている。小説をお読みになったかたは周知のことだが、捕鯨業に関する記述が延々と続き、肝心のクライマックスは意外とあっ気ない。アメリカ文学を代表する小説だが、捕鯨の歴史記述としても貴重だと思う。この地図はクリーヴランドのハリス=シーボルド会社によって委任され、エヴァレット・ヘンリー(1893-1961)が描いたもので、合衆国議会図書館のサイト「アメリカの宝」に掲載されている。いわば「文学地図」といった感じであるが、古典的インフォグラフィックと呼んだほうが分かりやすいかもしれない。小説を読んでるときにこれがあれば良かったと思う。蛇足ながらピークォド号が日本に接近したことが分かる。マシュー・ペリー代将が率いるアメリカ合衆国海軍東インド艦隊の「黒船」が、日本に来航した理由のひとつが、捕鯨船の物資補給を目的とした寄港地の確保だったことを思い出した。画像をクリックすると拡大表示されます。
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