2012年9月9日

維新の会橋下徹の反面教師は東国原英夫


総理を夢見る男  共同通信社宮崎支局(梧桐書院 2010年4月)

大阪維新の会が日本維新の会と改称、国政進出を正式決定した。各紙によると橋下徹大阪市長が党首になるが、衆院選には出馬せず、市長職を続投するという。いわば二足のわらじを履くわけだが、これを懸念する声も多いようだ。これに対し本人は「時間がないなんて言ったら、限られた時間で巨大組織を動かしている企業経営者に怒られる。寝る時間や遊びの時間を削ればいい」と述べたそうである。政党の党首や市長の仕事の量はそんなものかと強い疑問が残るが、本人がやると言ってのだから、仕方ないとしておこう。私は彼が市長を辞めない理由として、反面教師としての東国原英夫宮崎県前知事の存在があると思っている。東国原英夫は2007年、第17回宮崎県知事選挙で無所属当選、お笑いタレント首長が誕生した。宮崎県の特産品をPRするなど話題を呼び、マスコミが連日のように取り上げたことを記憶している。人気は今の橋下徹に匹敵するものがあり、一地方の知事の名が全国に浸透するという珍しい例となった。

その人気に陰りが出たのは2009年、自民党が総選挙への出馬を要請、それに対し「私を総裁候補に」と増長した発言をしたころからだった。宮崎産マンゴーなどのPRしていたからこそ、知事としての話題性があったのだが、国政と言い出したとたん、世間の目は一気に冷めてしまったのである。橋下徹はこの過程をいわば間近に見て学び取ったのだろう。大阪の首長であるからこそ思いのまま発言し、マスコミにちやほやされ、世間の支持を持続できるのである。これを橋下徹が捨てるはずはないのである。その反面教師、東国原英夫は日本維新の会の「選挙の顔」として立候補するという観測報道があるようだ。その通りなら主義主張なんかなんでもいい、利用できるものは利用する、無節操な橋下流の醜いやり方が露呈する。ついでながら日本維新の会の「改革」は真の意味でのそれではない。憲法九条改悪を目指し、この国をトンデモナイ国家にしようとしている。民主主義を否定、国家主義を標榜する極右集団に過ぎないのである。

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