2011年7月18日

Google+(グーグルプラス)のサークル概念


グーグルが6月28日に発表したSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)「Google+」の招待状が届いた。現在フィールドテストが行われているが、早くもユーザーが1,000万人に到達すると起業家のポール・アレン氏が分析している。私にも招待状が届いたので参加した。別にアーリーアドプターを気取る気持ちは毛頭ない。私はGmailやBloggerなど、グーグルのサービスに言わば囚われの身なので、もうひとつ付け足しただけの感じである。すでに使用していたプロフィールなどがそのまま流用できるので参加し易いという側面もある。さて上図のような「ネットワーキング進化論」に相応しいものかどうか、申し少し時間が経過すれば明らかになるだろう。取り敢えず話題になっているのが先発Facebookとの比較である。

左の風刺画はxkcd.comに掲載されているが、こんな具合だ。「あなたはGoogle+をやるべきよ!」「それ何?」「フェイスブックじゃないわよ!」「何に似てる?」「フェイスブック!」「なんてこった。ぼくが本当に欲しかった全てがここにあったなんて。クリック!」

確かにGoogle+はFacebookに似ているし、これで両者の戦争が勃発したという見方もあるようだ。私の第一印象としては、デザインがシンプルで垢ぬけしている。このシンプルさはブラウザChromeに相通ずるもので、たいへん好ましい。そして肝心の機能だが、Facebookを研究し尽くし、その欠点を補っていることである。その真髄は「サークル」の概念にあると言えるだろう。デフォルトでは「知人」「友だち」「家族」「フォロー中」の4つのサークルが用意されてる。そしてこれは例えば「同僚」とか「著名人」といったようなサークルを自分で付加できる仕組みになっている。Googleアカウントに登録されている連絡先や、Google+で知り合った人などを読み込んで、ここに振り分けて行く。フォルダではなくいわばラベルのようなものだが、ひとりを複数のサークルに登録することもできる。TwitterのタイムラインやFacebookのウォールにはすべての人たちの発言が表示されるが、時に追い切れないことがしばしば発生する。ところがGoogle+では、サークルごとにストリーム表示を切り替えることが可能になっているので、上手く設定知れば、自分にとって大事な発言は見逃さないだろう。


Google+サークル設定画面

Google+プロジェクトはこの点を「人と人との関係は、すべて同等ではない」のにも関わらず、既存のSNSでは、すべての人間関係を「友だち」というひとつの括りにまとめ、このことが情報の共有に様々な問題をもたらしていると指摘、具体的には
  • 大雑把である。ときには特定の人とだけコミュニケーションを取りたくても、オンラインではいつでもすべての人の発言が目に飛び込んできます。
  • 勇気がいる。100人以上の「友だち」に見られているオンラインでの会話は、舞台の上で発表するようなもの。皆の目を気にして情報共有も滞りがちになってしまいます。
  • 繊細さに欠ける。「友だち」や「家族」の意味するところは、私たち一人ひとりによって異なります。しかしこうしたニュアンスは、オンラインでは失われてしまいます。
と主張している。確かにその通りだと思う。しかしどうだろう、Facebookでもグループを作れば、この弊害は避けられるのではないだろうか。いずれにせよ、人々がリアルな実生活の場でより、オンラインのバーチャル空間で会話するようになった世相ゆえのシステムなのだろう。実はこのことこそ重大な問題を含んでると私は思っている。現実と虚構の世界の隙間を埋めるためにもFacebookやGoogle+が「実名主義」を採用しているのがせめての救いではある。とにもかくにもFacebookはソーシャルというよりも、実名制の徹底によるインターネット上のアイデンティティの確立という意味で成功したわけだから。

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