2011年7月17日

勇壮豪快な祇園祭神幸祭

神幸祭の子どもたち 八坂神社(京都市東山区祇園町北側) Fujifilm Finepix X100

新聞社の京都支局スタッフ時代、何度か祇園祭の山鉾巡行の写真取材をしたことがある。正直言って、巡行はダラダラ行列、岸和田のだんじり祭りと比較するとまるで覇気がないと思うのは私だけだろうか。いわば静的な行事である。だから暑さに耐えながらの巡行見物は仕事を離れてはしたことがない。今日もパスしたが、夕方の神幸祭には出かけた。長刀鉾の稚児の社参はあるが、巡行の山鉾が八坂神社の前を通るわけではない。神幸祭は八坂神社の神輿が出発する催事であるので、このほうが本来のメイン行事と言って良いかもしれない。西楼門前いわゆる「石段下」の交差点に着いたのは午後5時前、神輿渡御は6時過ぎなのに、すでに舗道は見物の人たちで一杯だった。職業的性癖というのは困ったもので、別に写真を撮るつもりはなく、コンパクトデジカメ一台しか持っていなかったが、やはり欲めいたものが頭をもたげてしまった。この神幸祭、正確に言えば神事の後、宮出しされた三基の神輿が勢ぞろいしたシーンが定型写真のようだ。その陳腐を避けるため、人垣をかき分けて境内へ。宮出しされた神輿に担ぎ棒が付けられ、境内を一周し、南楼門から石段下に出るまでを見守った。実に勇壮豪快、動的な行事である。神輿はそれぞれのコースを辿って、四条通寺町の御旅所へ向かった。24日の還幸祭まで御旅所に鎮座するが、この間に「無言参り」が行われる。文字通り無言でお参りして願い事をするのだが、芸妓舞妓についてゆき、何とか喋らそうという遊びが花街に残っている。いや、若いころそういった遊びをしたが、祇園町にはまだこの風習が残ってると思う。

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