朝日新聞デジタル版や時事通信電子版などのマスメディアの報道によると、河野太郎デジタル相は昨7月8日、マイナンバーカードを自主返納する動きが出ていることについて「本当に微々たる数だ」と述べ、返納は少数にとどまるとの認識を示したそうである。そしてマイナンバーカードを
「返納されている方もクレジットカードを毎日のように使い、むしろいろいろな個人の情報はクレジットカードで分かる。あまり変なことに惑わされない方がいい」
と述べたという。返納はマイナンバーカードへの抗議行為であり、トラブル頻発の報道に接しての安全性への不安のあらわれである。クレジットカードと比較するのは余りにも短絡な言い訳で、思考の底が浅く呆れる。クレジットカードは万が一不正利用された場合、カード会社の調査でも不正利用だと判明すれば、カード契約者本人に落ち度がないときは補償を受けられる。一方マイナンバーカードは、公金受け取り口座など、さまざまな紐付が可能で、紛失などによるリスクは比べものにならないくらい大きい。特に関心が高いのが保険証だが、政府は紙の保険証を廃止して、マイナンバーカードを保険証にするという方針を崩していない。その旗振り役が河野太郎でで、国民の声に耳を貸さず、むしろ馬鹿にしたような口ぶりで強弁を繰り返すばかりで、彼への強い不信感が国民の間に渦巻いている。次の自民党総裁候補とは悪いジョークである。
第3次安倍改造内閣発足後の記者会見で、安倍晋三は行革担当相として初入閣させた河野太郎議員について「大勢に迎合することなく、常に改革を強く訴えてきた情熱の持ち主」と持ちあげた。河野太郎は自民党有数の脱原発派として知られ「核のゴミ」問題が解決しないままでの原発再稼働を「無責任」だと主張してきた。だが2015年10月7日に入閣が決まると主張を綴ったブログの記事は削除された。記者会見では「(安倍首相と)ベクトルとしては同じ方向を向いている」と釈明し「決まったことについては、それを誠実に実行する」とも述べた。すっかり牙を抜かれてしまい、大臣なりたさに「迎合」したと言われたのである。河野太郎を「大勢に迎合することなく」つまり「大衆に迎合しない」と評した安倍晋三は、ある種、慧眼の持ち主だったと言えそうだ。
私は脱原発論を綴っていたブログ「ごまめの歯ぎしり」を時々読んでいたが、その封印に落胆したことを憶えている。以来、彼の言動を無視するするようになった。迷走マイナマイナンバーカードを巡る河野太郎の迷走が続いているが、与党内部にもその言動に反発する議員も増えているようだ。このままでは内閣の支持率が下り続き、次の選挙で苦戦を強いられる可能性があるからだろう。なお、すでに所持している人は、自分のカードがどういう状態になっているか、間違った紐づけをされていないか、ポータルサイトで確認しておくことを勧めたい。注意すべきはカードを返納しても紐づけされた情報は消えないことである。
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